30代の人生の軌跡

前に進んでるから、壁にぶち当たるんだよ。 奈良県・笹の滝へ

こんにちは、たまゆりです。
またもや、滝に行ってきました。最近滝にしか行っていません、ほんとうに!

前回アップした三重県尾鷲市の南谷の滝に行くちょっと前、6月中旬くらいに
「うおーーーー!!!!!滝の本格シーズンきたーーーーーーーー!!!!!」ってことで、行ってみた滝です。

めちゃくちゃ、気持ちよかったです。

【動画リンク】 
https://youtu.be/5DtyTYQXMbo

終始水音満載の、とっても涼しげな動画になっていますので、ぜひ再生して涼を取っていただけたらうれしいです。
この前、チャンネル登録いただいた方が1000人になりました。
うれしすぎる。そんなことあるんだ。ありがとうございます。

名は柔らかく、姿は力強く。

さて、今回向かったのは、奈良県十津川村にある「笹の滝」
日本の滝百選にも選ばれている、わたし比でかなりメジャーな部類に入るお滝さまです。
落差約32メートル。
名前はささやかで控えめな感じですが、大迫力を讃える名瀑です。

名前の由来は記録に残っていませんが、周りに笹が群生していたことから地元の人にそう呼ばれていたのではないかと思われます。
紀伊半島、薬効があるクマザサがよく群生していますからね。
滝の名前としてつけるくらいだから、いい笹がとれるスポットがこの近くだったのかも。

笹の葉を取りにでかけて、かごを葉でいっぱいにしたあと、ゆっくりこの滝の水で涼んだりもしたのかしら…なんて思いを馳せつつ。
そもそも、この場所に本当に人が住んでいたのかが謎ではあるレベルの山奥ですが。

ひと粒で何度も美味い滝

熊野本宮大社から、車で1時間ちょっとです。
国道168号線を北上し、風屋ダム付近から山道を進むと駐車場にたどり着きます。
小さな案内看板も立っていたと思います。

林道の脇が広くなっていて、何台か車を止めて置けるスペースがあります。

そこからは歩き。道は基本平坦でゆるーい登りを15分ほど。
難所には手すりや足場、階段が設置されており、遊歩道としてよく整備されています。

木の根や苔むした岩を越え、柱状節理の岩壁を左手に見ながら進みます。

途中、透き通った水晶のごとき穏やかな汀があって、ツツジの赤い花が散り落ちていたり。
巨大な岩が折り重なった小さな隙間を、背をかがめて通り抜けるような場面があったり。
これまた巨岩の間に置かれた階段を一段ずつ上がって、登り切った先にどーん!!!と滝が現れたり。

滝そのもののすばらしさもさることながら、短い距離なのにバラエティに富んだルートになっているのがとってもすてきなお滝であるなぁと思いました。
一粒でいろんな味がするハイチュウを食べてるみたいな(わからん)。
これが百名瀑のパワーなのか?

そうしたすばらしいアプローチの先に辿り着いた笹ノ滝は、奥側にある落差32mの直瀑が怒れる龍のごとくすさまじく。

また、その手前のゆるやかな段差に広がる渓流瀑。これがたまらないんです。
完全に楽園。CG映画で見たユートピアの泉。
ゆるやかな広いスライダー状になった岩の斜面を、まるで竹を流れるそうめんの束のように絶え間なく白い飛沫をあげた清らかな水が駆けてゆく。

気持ちいい、気持ち良すぎるぞ。

そして、梅雨の晴れ間に訪れたということもあってか、とにかく水量がものすごい。
ですが、Googleのレビューなどをみても誰もが口を揃えて「水量が多い滝だ」と述べているので、いつでも豊かな水が流れる谷のようですね。

水音が終始耳に心地よく、体の奥まで洗われていくようでした。


すばらしい滝でした。
車でのアクセスこそ不便ではあるものの(最寄りの高速五條ICから2時間かかるらしい)
初心者の方でも【比較的】歩きやすい道なのではないかと思います。

ただ、つい今年の5月にここで水難死亡事故が起こったばかりでもありますので、本当にくれぐれも訪れる際は細心の安全への心配りをしておでかけください。

 

予定外の導き

それでね。
実は今回、最初からこの滝に行く予定はまったくなかったんですよ。
大阪で用事があったから、その移動の途中で「神社か温泉でも寄っていこうかな」くらいに思っていただけ。

でも車を走らせながら、何気なく地図を見ていたら「笹の滝」の文字が目に入って。
ええ?なんかめっちゃ良さげな滝あんじゃん。
ちょうどカメラも持ってきてるし、リュックもサンダルもあるし、行ってみるかと。
ほとんど衝動的に、予定を変えて滝に行くことにした。

今思うと、本当に行ってよかった。
今回、この笹の滝に行けたから、私は長らく見失っていた自分自身を取り戻せたような気がしているのです。

 

「なんのために、日々を生きていたんだっけ?」

ここ数年の私は、正直言ってスランプに陥っていた。

これまで自分が「これだ」と信じて疑わず、ただがむしゃらに頑張ってきたものが、あるときから、どうにもしっくり来なくなった。

「自分は一体何を目指してるんだっけ?」
「私はどこへ向かおうとしてたんだっけ?」
「なんのために、日々を生きていたんだっけ?」
って、自分でなにがなんだか分からなくなってしまっていて。

1年以上、ずっとぼんやりとそんな感じで。
その間は、本当に多くの人に支えられてた。
名古屋のラジオのスタッフさんや熊野の仕事仲間、家族、師匠、友達、よく通ってた整体の先生……

その人たちのおかげで、なにがなんだか手探りでどうしていいかわからない、その時期をやり過ごせていたと思います。

そうやって、たくさんの人が私を助けてくれて、信じてくれているにもかかわらず、どうしてか私は自分で自分のことを認められないままだった。
信じられないままだった。
そのことに、すごく疲れていた。

 

今、私の目、キラキラに輝いているだろうな

あれは、「禊ぎ」みたいなものだったんだな、と思う。
笹の滝で過ごした時間。

圧倒的な水しぶきと、圧倒的な水音と。
過去の自分ごと大きく押し流して洗い流してまっさらにしていくような、そんな大きな力だった。


あの時私は、思い出したんだった。

「そうか、私はこれでいいんだ」と。

それは、自然の中で思いっきり体を動かして、
笑ったり時に焦ったりほっとしたり、心まで思い切り動かすことであり。

そうやって出会う、まだ見たことのない景色を目の前にして、
自分の心がワクワクと踊る瞬間に出会うことだったり。

あの滝を目にした時「ああ、今、私の目、キラキラに輝いているだろうな」と思ったの。
それはいつぶりの感覚だっただろう。

とても久しぶりの感覚で、それでいてものすごく懐かしくて、しっくりと馴染んだ。
何度も洗って何年も着古した、やさしい手触りのパジャマみたいに。

私は私に「おかえり」と言ってやりたくなった。

 

前に進んでるから、壁にぶち当たるんだよ。

私はこれまで何度か、人生で大きな壁にぶつかってきた。
最初は、スペインの巡礼路に行く前。
とにかく社会に馴染めなくて、世界のどこにも居場所がない気がして、生きてる意味が分からなくなって。

その次は、二度目のスペイン巡礼路に出かけた時。
自分で選んだ道のくせに、ようやく見つけた居場所だと思ったのに、力不足でうまくいかなくて、心がボキボキに折れていたとき。

今回も、正直それに近いくらいきつい時期だったような気がする。
「もう生きてる意味なんかないんじゃないか?」って、本気で思ってしまうほどに。

 


でも、今の私は胸張って言えるな。
それは、自分が弱かったからでも、出来損ないだったからでもなくて。ぜんぜんそうじゃなくって。

その壁にぶち当たるのは、何度それにぶち当たっても、前に進もうとしているからなの。
今ならわかる。

弱いんじゃなくて、むしろめっちゃしぶといから、私はこうなっているんだなって(笑)

優しいまんまで生きていきたい。
まっすぐなままで生きていきたい。
自分に嘘はつきたくない。そんな世界ができたらいい。
ちょっとでもそのきっかけに、自分がなれたらいい。
そのために、この命は使いたい。
それ以外は嫌。絶対に嫌なの。
いくら安心で安全で天寿をまっとうできるとか言われたって、そのために自分の心に嘘ついてたら何の意味もない。だから。

その願いは、きっとあの時からずっとずっと変わらないまま。
それをありとあらゆる方法で叶えようとしているから、壁にもぶち当たるんだって。

(余談ですが、もし共感してくださる人がいたら、YUKIちゃんの「わたしの願い事」という曲を聞いてください。涙します。)

 

自分という川を遡上する

この間行った、南谷の滝で見た、滝を登った上からの景色を思い出す。

滝の上にどんな景色があるのかは、下から見上げてるだけじゃけっして見えない。
岩に手をかけて、時に滑りながら、水流に押し流されそうになりながらよじ登ってみる。

すると、そこには下からは想像もしなかったような景色が広がっている。


そして振り返ると、登ってきた道がちゃんと見える。
苦労して泳いだ深い滝壺の水面も、深いブルーに輝いて美しい。

これからも自分という川を、遡上し続けたい。

何度岩壁にぶつかっても、それをよじ登りたいなぁ。いくつになっても、この命のある限り。

だって何度でも見たいじゃん。

初めての、滝の上の景色。

ーーー

以上、いつも思うけど本当にもしも最後まで読んでくださった奇特な方がいらっしゃいましたら、ありがとうございました。
この記事を真面目に最後まで読んでくれている時点で、あなたは相当に心のまっすぐなお優しい方なのではないかと思う。

そんな人がもし、この間までの私みたいな八方塞がりの暗闇の中にいるのだとしたら、これが1ミリでもその手を死の淵からひっぱるロープになったらいいのになぁとか思ったり。

私は思えばこれまで何度も、いろんなひとのそのロープに助けられてきたのだ。
このバトンがまた次へ渡りますように。

 

最後に、この情熱まみれのブログとは若干毛色は違いますが…

涼しげな水音や風の音を聞きながらぼーっと眺めるにはぴったりですから、ぜひともYouTube動画の方もご覧ください。

【動画リンク】 
https://youtu.be/5DtyTYQXMbo

それではまた、たまゆりでした。

 

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