さて、前置きが長くなってしまいましたが、ここからが出雲旅レポの本編です。
前回の記事はこちら
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名古屋→出雲、飛行機でたったの50分。
さて、前回の記事で、散々、中部地方からは遠い遠いと書いた出雲ですが。
なんと、県営名古屋空港(小牧空港)から飛行機を使えば、たったの50分で行けるんです。
本数は、朝と夕方発の2便と多くはないのですが、車や電車を使ったときの所要時間を考えると、とても便利です。
FDAで心温まる飛行機の旅。
また、この名古屋-出雲便、魅力的なのが、就航しているのが静岡発の航空会社「FDA」こと「フジドリームエアライン」だということ。
良心的な運賃でありながら、サービスが充実していて、機内では就航している地域の地産を活かした飲み物や食べ物を出してくれるので、私も何度か旅行で利用していますが、大好きな航空会社さんです。
今回も、久しぶりの飛行機旅にテンションが上がり窓の外をバシャバシャ写真に撮りまくっていたところ、可愛らしいCAのお姉さんが「飛行機お好きなんですね。これ、どうぞ!」と、静岡のお茶飴を紙コップに詰めてわざわざ持ってきてくださり「もうすぐ天橋立が見えますよ!」と、ニコニコしながら話しかけてくださいました。
(おまえは小学生かっ!というツッコミがどこからか聞こえてくる…。)
もうこれだけで、ああ来てよかったなと思うくらい嬉しかった。
他にも、離陸の時毎回地上の係員さんがめいっぱい手を振ってくれたりとか、なんかすごくあったかいんですよね。大好きです。FDAさん。
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窓から見える景色に夢中になり、うとうとする暇もなく、たったの1時間足らずで遠い遠い出雲国へ到着です。
出雲縁結び空港に到着!
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出雲縁結び空港は、島根県の空の玄関口。
名古屋からの便の他に、羽田・福岡・大阪からも飛行機が飛んでいます。
大阪や福岡からだと、距離で言えば、名古屋以上にあっという間に着いてしまうだろうに…それでも需要があるのは、それだけ陸路での移動に時間がかかるということなのでしょう。
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島根県の東側の多くを占める宍道湖(しんじこ)の、一番西の端のすぐほとりにある空港です。
着陸直前に見えた出雲や周辺の土地は、山が幾重にも連なって、イメージの通りとても神秘的で、それでいてどこかのどかな雰囲気です。
出雲空港からバスでJR出雲市駅へ。レンタカーを借りる。
空港へと到着したら、飛行機の着陸時刻に合わせて発車している連絡バスで、JR出雲市駅へと向かいます。
HPに乗っていたバスの発車予定時刻が、けっこうタイトだったため「これ飛行機降りて間に合うかな?」と少し慌てていたのですが。
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なんてことはない、発車時刻はただの参考で、飛行機を降りたすべての乗客が空港から捌けるまで出発をのんびり待ってくれているという、なんとも長閑な仕様のバスでした。
一組、レンタカーの予約場所を空港と鉄道駅の店舗で間違えてしまったという方が見えて、バスの運転手さんや空港の係員さん、総出で「大丈夫ですかぁ〜」なんて感じでサポートされていて。
このスローで等身大に親切な感じ…なんともほっとします。
帰りはここから電車に乗って名古屋に戻るため、鉄道駅に近いレンタカー屋さんで車を借ります。
いつも旅をする際、全国でお世話になっている「ニコニコレンタカー」の出雲市駅南店さんです。
料金も良心的で、そんなに立派な車が必要ない、のんびりした一人旅にはぴったりの軽自動車が借りられるので、重宝しております。
いざ、出雲大社へ。
まず向かったのは、出雲大社。
まだ朝10時前ということもあってか境内にも人はまばらで、背後の山々や杉の並木が朝の光に照らされて、とても心地よく感じます。
境内ではほとんど写真を撮れなかったのですが、とても立派な社殿と、それを取り囲むようにぐるりと、いろいろな神様がお祀りされていて、ひとつひとつ手を合わせながら歩いているだけで、なんだか清々しい気持ちになってきます。
ちょうど春の季節、背後の山々が明るく萌えて、山容も穏やかでとても美しくて、なにか大きなものに守られているような、ほっとするような気持ちになるところだなぁ、と感じました。
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こんな日に来られて本当によかったなぁ。
最後にお守りを頂いて神社を後にするとき、なぜかわからないけど、わーって感激が押し寄せてきて少し泣けてしまいました。
美しい魂のバトンを繋ぐ。
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熊野を訪れたときにも感じたことですが、こういう立派な格式ある神社に来ると、なにか、シャワーのような、太陽の光のような、あるいはやさしい風のささやきのような……大きな愛情を感じる気がします。
それはきっと、神々たちの、わたしたち人間に対する愛情なのではないかと思うのです。
梅原猛の戯曲「オオクニヌシ」の中でも、「ラノベ古事記」の中でも、大国主命は、自分が王として治める国と民のことを、ほんとうに愛し、大切にしていたことが描かれています。
「オオクニヌシ」の最後に、国を天つ神に譲り、あとを子孫たちに任せてこの世をあとにする大国主命が、孫のコナムチに向かってこう語りかけるシーンがあります。
「決して嘘をつかないこと、そして何よりもこの大自然の神を敬い、敬虔で質素な生活をすること。そのことが人間にとって、もっとも大切なことと私は思う。」
「私はその純粋な魂の国をこの世につくろうとした。私はあまりに人間を信じすぎて、その純粋な魂の国を滅亡に導いたが、その理想が誤っていたとは思えない。」
「おまえたち国つ神の子孫たちは、美しい魂をこの日の本の地に深く深く植え付けろ。」
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こんなふうに、
この国と、この国の人々が、すばらしい魂を持って生き続けていくように、と願った大国主命。
きっとその愛は、こうして今、現代にも同じように続いている…。
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うまくいえないけれど、お守りを手にとってしみじみ見つめてみると、なにか自分も、ほんのすこしだけ「そのバトンを受け取った」ような気がして、嬉しいような心が引き締まるような、不思議な気持ちがあふれてきました。
茹で汁ごといただく!優しい味わいの出雲そば
さて!
広い境内をまわっていたら、すっかりお腹がすいてきたので、出雲大社の前に広がる門前町で、お昼ご飯をいただきます。
やっぱりここは、名物の「出雲そば」!
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出雲そばは、通常のおそばと違い、茹でた時の蕎麦湯をそのまま器に一緒に盛り付けて、そこに好みで出汁をかけていただきます。
もともとは、水が少なかったこの土地の人が少しでも水を有効活用するために編み出された食べ方なのだそうです。
蕎麦湯ごといただくため、湯に溶け込んだ栄養や旨味も一緒に味わうことができます。
初め一口食べたときは、ちょっと薄味かな?なんて感じました。
でも食べ進めるうち、だんだん蕎麦湯の旨味を感じられるようになってきます。
また、抹茶塩を添えた天麩羅と一緒にいただくと、蕎麦湯のやわらかさが油や塩気を中和してくれて、たいへんちょうどよく、お腹にも優しく、美味しくいただきました。
この間、中山道の木曽路でいただいたお蕎麦とはまた違う、
なんだか、この優しい出雲の土地らしい、素朴でやわらかな印象のお蕎麦でした。
出雲大社の裏、日本海に面した黄泉の洞窟へ。
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お蕎麦をいただいて腹ごしらえが完了したら、今度は少し足を伸ばし、ドライブへ出かけてみます。
出雲大社の裏手にあたる、いわば「裏出雲」とでもいいましょうか。山が連なり、そのまま断崖の岩場から日本海へと続くエリアへと、足を踏み入れてみます。
ここは、本来の書紀の中には出てきませんが、梅原版「オオクニヌシ」の中で、大国主が最後の場所として身を投げた場所としても描かれています。
長閑な漁村を走っていくと「猪目海岸」という場所に到着しました。
ここは、かつての出雲国の人々が「黄泉の穴」と呼んだ場所で、あの世への入り口であったといわれています。
今では、近くの漁村の方の漁道具置き場となっていますが、どこか近寄り難い、ひんやりとした不思議な力を感じさせる場所でした。
美しい斐伊川をさかのぼり、奥出雲へドライブ。
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さてここからは、出雲の町を離れて、南側の「奥出雲」方面へと向かいます。
ヤマタノオロチ伝説とも関係の深い、美しい斐伊川の流れをさかのぼるように車を走らせ、山の方へと分け入っていきます。
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春のこの季節だからなのか、この土地が持つ不思議な空気なのか…目に入る景色がどれも長閑で美しくて、ただ車を走らせているだけなのに、なんだかとても楽しい気持ちになってきます。
出雲の町から1時間ほど車を走らせ、太陽が西に傾く頃、今夜のお宿に到着!
美しい農村・多根の集落の中に立つ、なんとこの「博物館」に今夜は宿泊します。
またも長くなってきましたので、つづきは次の記事で。
「泊まれる博物館」めちゃめちゃ最高でした!!!
つづきはこちら。
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