さんぽ旅

神様を信じ愛することは、自分自身も愛すること。自然溢れる奥出雲、ひとり旅(完結編)

出雲大社と門前町を見学し、裏出雲も堪能した後に向かったのは、自然豊かな奥出雲の地。

前回の記事はこちらです。

でっかい愛のバトンを、次世代につなげ!出雲大社と黄泉の入口に詣でる。(中編)さて、前置きが長くなってしまいましたが、ここからが出雲旅レポの本編です。 前回の記事はこちら https://tamayuricam...

「ナイトミュージアム」で過ごす一夜。


出雲行きを決めた後、どこに泊まろうかしらとネットで宿を探していて、迷わずここ!と決めたのがこの「宿泊できるミュージアム 奥出雲多根自然博物館」でした。

めちゃくちゃわくわくしませんか?泊まれる博物館。

博物館の上階がそのまま宿泊施設になっていて、夜になると、宿泊者はナイトミュージアムということで懐中電灯をお借りして、展示室の中を見学できるようになっています。

夜の暗い中で見る恐竜の化石の標本や、キラキラ光るアンモナイトに鉱石の数々…大の大人も思わずウキウキしてしまう、唯一無二の体験ができるとても素敵なお宿でした。


まわりの豊かな自然がなんとも美しく、お部屋も必要十分で心地よく、夜はとても静かで、空気も美味しくて…。

 

また、夕食にレストランでいただいた、きのこがたっぷりのお鍋もとっても美味しかったです!


私、旅先の食事でごちそうをいただきすぎると、貧乏舌ならぬ貧乏腹?お腹の調子を崩すことが多いんですが(笑)

こちらでいただいた夕食は、お野菜もたっぷりで、味付けもやさしく、普段の食事よりむしろ健康的なくらい!

この土地ならではの食材のシンプルで力強い滋味にあふれていて、本当においしかったです。

いっしょにいただいた、地酒の「深山の香」も、とてもさらりとしていて飲みやすくクセのない上品なお味で、シンプルなきのこ鍋にまさにぴったりでした!

 

地元のおばあちゃんと並んで浸かる、とろとろの温泉。

そして夜のもう一つのお楽しみはお風呂!

宿泊施設内にもお風呂はありますが、目の前に地元の方も利用する温泉施設「長寿の湯」があり、宿泊者はそこを無料で利用することができます。

ここがまた、イイお湯で…!

地元のおばあちゃん達が今日の畑仕事について語り合う横で、月の光を浴びながら、周囲の田んぼから聞こえるカエルの声を聞きながら…とろとろのお湯の露天風呂に浸かる時間はなんともいえず至福でした。

奥出雲は酪農も盛んらしく、湯上がりのコーヒー牛乳や夜のおつまみのチーズも絶品。

私、道の駅なんかに泊まりながらする車中泊の旅も大好きなのですが、その大きな理由の一つが、地元の人も入る温泉や銭湯に入れる、っていうところなんです。

旅人としてお邪魔している身ではあるけれど、裸になって同じ湯に浸かり、同じ湯気に包まれている間だけは、ほんのすこし、地元の人に近くなれたような…そんな気がしてちょっと嬉しくなるのです。

晩酌に頂いた「島根わいん デラウェアスパークリング」甘口ながらさっぱりとしていて、飲みやすいワインでした

夜も、部屋で窓の外にカエルの合唱を聞きながら、出雲大社近くのワイナリー「島根ワイナリー」で買ったワインをいただきながら、これまた至福の時間を過ごして。

空気が美味しいからか、外がとても静かだからなのか…とてもぐっすりと、よく眠ることができました。

 

恋い慕う伝説の残る、鬼の舌震。

翌朝は、出雲行きのきっかけをくれた師匠のすすめで「鬼の舌震」という場所へ向かうことにしました。

この土地には「出雲風土記」から、こんな伝説が残されています。

昔この川のほとりに「玉日姫」という美しい女神が住んでいました。
その女神を慕って、夜な夜な川に住むワニが、想いを伝えに通ってきたといいます。それを嫌がった女神が、巨大な岩で川の流れを堰き止めてワニが来られないようにしてしまいました。

その後、ワニはよりいっそう姫を恋い慕うようになりました。

…そんな「ワニの慕ぶる」という言葉が転訛し「鬼の舌震」と呼ばれるようになったとのことです(諸説あり)。

ちょっと切ないお話ですね。


その伝説の通り、峡谷の中に目を見張るほどの大きな岩がごろごろと並ぶ、とても不思議な光景を見ることができます。
周囲には遊歩道が整備されていて、大体1時間半ほどでコースをまわることができます。

川の流れに沿って歩きながら、散策することができるとても気持ちのいいところです。


明治〜昭和時代の歌人、与謝野晶子・鉄幹夫妻もここを訪れたとのことで、ひとやすみできる東屋に、両氏の歌が書かれたボードも置かれていました。

‌「恋山(したいやま) まことに誰をしたふらん 清き涙の岩こえて鳴る 

鉄幹」

 

朝が来る、ただそれだけで尊い。

ここも、朝の早い時間に訪れたためか、ほとんど他に人がいません。
聞こえてくるのは、鳥の囀りと、木のさわさわ揺れる音と、岩の間を流れる水音ばかり。

出雲大社や出雲の町の、明るくて長閑な雰囲気とはまた違う、濃密な空気を感じました。


谷間にだんだんと射してくる日の光を、草の葉越しに見ながら、てくてくと歩きます。

電気や灯りのない古代の出雲の人びとにとっては、きっとこうして朝が来て、鳥が歌う声を聞き、谷の木々の葉の一枚一枚に光が射すのを見るだけで、きっとものすごく幸せで、感謝の気持ちを感じたんじゃないだろうか。

古代の人々が、自然や神様を敬い、感謝をささげた意味。
ほんの数時間の散策でしたが、その気持ちを少しだけ味わえたかのような、とても良い時間でした。

これは余談だけど、私の大好きなアヴィーチーの名曲中の名曲「Waiting For Love」の歌詞にも「すべての夜は朝になる、それはまるで魔法みたいだ」っていう言葉があります。

それを聴く度、そんな美しい歌詞を書ける彼の心の美しさに、泣きそうになるのですが…

古代の人は、みんな彼くらい透き通った心を持っていたのかもしれない。そんなふうに思いました。

 

Avicii「Wainting For Love」詞も曲もPVもとにかく最高なので、もしまだ知らない方がみえたらぜひご視聴ください。

 

「鬼の舌震」来る時は、運動靴でネ。

ちなみに、私、この旅に運動靴を持っていかなかったため、ハイヒールの靴での散策となりましたが…オススメしません!!笑

調子に乗ってセルフィーなど撮っているが、このあと頭を強打。

 

濡れて滑る斜面の階段を、なんとか転ばずに駐車場まで戻ってきましたが……ホッとした瞬間閉める車の後部ドアで頭を強打しました。。誰もいない、猿の鳴き声だけが聞こえる山奥に、ゴスッと響き渡る鈍い音。。

「テメー、二度とそんな靴で来るんじゃねぇ!!」

と、なにか、奥出雲の神様からゲンコツをくらったような気持ちになりました…。

 

次回、奥出雲を訪れる機会には、しっかり装備で。
この近くには、スサノオとヤマタノオロチの伝説が残る修行の山、船通山があります。

ここもすすめていただいたので、また近い将来、訪れたいです。

 

行きは50分、帰りは5時間(涙)

出雲市駅構内のラーメン屋さんで食べた地元産味噌の「スサノオラーメン」。草薙剣型のかまぼこがカワイイ。

 

さて、あっというまに時が過ぎ、もう帰路につかなくてはいけない時間です。

来るときは飛行機でたったの50分しか掛からなかったのですが、帰りは(このあとの予定の時間に合わせるため、やむなく)電車と新幹線を乗り継いで、5時間もの道のりです。

JR出雲市駅から、特急やくも号で3時間かけて岡山へ。そこからは、新幹線で名古屋まで約2時間。
行きで眼下に見えていた、山陽と山陰を隔てるあの深い山々を鉄道で越えなくてはいけないことを思うと、納得の所要時間です。

帰りはじっくり、車窓からの景色も楽しもうかと思っていたのですが…すみません、いつの間にか爆睡しておりました(笑)

 


たったの1日半の滞在ではありましたが、出雲という土地の奥深さと、そこに宿る優しさを感じられたような気がしました。

まだまだ、教えてもらったけれど行けなかった場所もたくさん。
ぜひまた、じっくりと、訪れてみたいなと思います。

 

「神様と向き合うのは、自分自身と向き合うこと」。

急に思い立ち、何かに導かれるかのようにして実現した、今回の出雲への旅。

私自身の人生の中で、こうした「旅」がひとつのターニングポイントとなることはたくさんありましたが、今回の旅も、その重要なひとつだったような気がしています。

 

師匠から、いつも言われる言葉があります。

「神社に出向き、神様と向かい合うということは、要するに、自分自身と向き合うことなのだ」と。

 

この旅を通じて、その意味が、また少しだけ、わかったような…気がする。
(とか書くと、全然分かってないわっ!!おたんちんっ!!!って怒られそうだな〜笑)

 

神様を受け入れる=自分自身を受け入れること。

冒頭で書いた、大国主命の人となり(神となり?)について、もう一度考えてみる。

すると、プレイボーイな大国主も、馬鹿正直でお人好しな大国主も、きっと、どちらも、別の面から同じ人(神)を、見つめたというだけのことなのかもしれないな…と思った。

私にとって今回の旅は、大国主の、そんなまっすぐな一面の方を、信じて愛したくなるきっかけだった。


これまでなんとなく、大国主命のことを、どこかちゃらついて八方美人みたいな、だれにでも良い顔をするみたいな、そんな風にイメージして、受け入れきれないでいた。

でもそれはきっと、そんな神様の姿を自分自身の一面にどこかで重ねていて、そんな自分のことを、これまで受け入れられなかった、許せなかった、ということではなかろうか…と感じたのです。


「この神様を好きじゃない」と思うのは、そんな自分自身のことも、好きになれていないから。

それで、今回の旅を通じて、そんな神様を「いいな、好きだな」と思えるようになったのはきっと、自分自身にも、そういう在り方を許せるようになったということじゃないかと思うのです。

 

自分に掛けたブレーキを外して、前に進む覚悟と準備。

今まで「そんなのって八方美人じゃない?」って、人からどう見られるか、嫌われないかばかりを気にして、言い訳するみたいに、自分自身にブレーキをかけてきたこと。

でもそれが、ちょっとずつ、外れてきたのかもしれない。

なんだろ?ときにプレイガールに見られても??誰かに誤解されたとしても?自分や周りにとってよき縁を、恐れず結んでいく……???みたいな????(ハテナが多すぎる笑)

そんな覚悟、心の準備、が自分にできたのかなぁ、なんて、うまく言えんし恥ずかしいけど、こっそり思っている。

この文章の草稿、博物館のお宿でカエルの声を聞きながら、島根わいんで気持ちよく酔ってる時に書いたやつだから許して。

なんて言い訳してみる。うん、酔っ払い、怖いね。

 

 

以上、読んでいただきありがとうございました…!


はいっ!!!!

というわけで以上、大変長くなってしまいましたが、弾丸出雲旅のレポでした。

ぜひ、みなさまの今後の旅の計画にも参考にしていただける部分がありましたら幸いです。

旅のきっかけをくださいました師と、旅でお世話になったすべての方々へ感謝を込めて。

書ききれませんでしたが、古くから貴石のふるさととして勾玉が作られた出雲・島根の土地には、良質な石屋さんもたくさんあります!

なんだかご縁を感じずにいられないお店の名前。

 

私も、出雲大社門前町に店舗を構える「たまゆら」さんにて、強い魔除けの力を持つとされる、出雲型勾玉を入れたパワーストーンのブレスレットをひとつ、作っていただきました。
こちらもおすすめです。

それではまた、たまゆりでした〜!

 

 

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POSTED COMMENT

  1. やまぴ より:

    出雲行ってみたいー、とずっと思ってたけど、先越されましたね(笑)

    きれいな写真とともに楽しい旅のレポートありがとう。
    泊まれる博物館おもしろそう!
    出雲ますます行ってみたくなったよ

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