日本国内の歩き旅

さりげなくって、ゆるぎない。宝石の谷の滝を訪ねて【三重県いなべ市・熊谷不動滝】

宝石のような、ひっそりとした谷へ

今回は名古屋から車でたったの1時間で行ける、三重県いなべ市の「熊谷不動滝」へ向かいます。
沢クライマーの方以外にほとんど誰にも知られていない美しい谷には、水晶のような流れにエメラルドのような淵、蛍石のような滝壺……
真っ白い川底の砂は石英でキラキラしていて、まさに宝石の世界!

透明な水と豊かな自然を満喫できる秘境旅です!

YouTube動画も公開しています

今回の滝旅のようすは、YouTubeでも映像でお届けしています。

ひっそりと流れる谷の空気、足元の白い砂、
水に飛び込む瞬間のきらめきや、
滝のシャワーを全身で浴びたときの心のほどけていく感じ……

文章だけでは伝えきれない、あの場の空気をできるかぎりそのまま映しました。

よかったら再生してみてください。

▶︎ [名古屋から1時間で行ける秘密の滝を発見!] – たまゆり自然部

https://www.youtube.com/watch?v=uV5nP1JaCc4

滝があるのは、鈴鹿山脈のふもと

「熊谷不動滝」があるのは、登山で大人気の「鈴鹿セブンマウンテン」のひとつ、竜ヶ岳のふもと。
近くには宇賀渓キャンプ場もあり、
中部・関西エリアの自然を愛する人が多く集うエリアです。

今回目指す「熊谷不動滝」のある「熊谷」は宇賀川の支流であり、
その裏側と言ってもいい、ほとんど誰にも知られていない場所にあります。

 

アクセス

国道142号線を滋賀県方面に向かって走っていると、宇賀渓の看板が見えてきます。
そこを越えてしばらく走ると、閉鎖された林道の入り口があり、その向かいに2,3台が駐車可能なスペースがあります。

他の車の通行の邪魔にならないように車を停めて、ここからは歩いて沢へと向かいます。

東海自然歩道を少しだけ歩き、吊り橋へ

駐車スペースから坂を降りると、広くて歩きやすい林道のような道に合流します。
ここは、東海自然歩道の一部だそうです。


立派なお手洗いの設備もありました。

しばらく行くと谷にかかった吊り橋が見えてきます。
橋の上からは、今から歩いていく沢を見下ろすことができます。
浅いところは、水があるのかないのか分からないほどに透明度が高く、気持ちがはやります。

沢へ降りるには、吊り橋の左手の斜面に踏み跡があるので、そこを降りていきます。


突堤の高い段差にはハシゴがかかっていて、それを使って下ればすぐに川辺に出ます。

水が見えないほどの透明度。

いや、綺麗すぎるって!!!

近づいてみるといっそうわかる、びっくりするほどの透明度…!!!

ここから先は、100mほど谷の奥に向かって、川の中を歩いたり岩を飛び越えたりして歩いていきます。

それにしても、この熊谷に流れる水の色、びっくりするほど透き通っています。

川底に白い砂利のような小石がたくさん堆積していて、それがキラキラしてまるで宝石のよう…。

なぜこんな色に?奇跡の地質

この熊谷の川の水が、こんなにもキラキラと、透き通って見える理由。
じつはその秘密は、地球の大きな力にあります。

実はこのあたり、大昔からプレートとプレートがぶつかり合い、地殻変動が繰り返されてきた場所なんです。

地中深くでマグマがゆっくりと冷えて固まった花崗岩が、その力によって、
長い時間をかけて、地表の近くにまで押し上げられてきました。

花崗岩には、石英や長石など、光を受けて白く輝く鉱物がたっぷり含まれています。
それが川の流れに削られて、細かく白い砂となって、川底に積もっているんです。

川底が白く輝くからこそ、その上を流れる水も、まるで宝石のように淡く澄んで見える。

つまりこれは、遠い昔から続く、地球の動きと水の流れが生んだ奇跡の景色なんですね!
うーん、芸術品。ワクワクしてしまいます。

 

秘密のガラス温室のような空間の滝

いや、だから綺麗すぎるんだって!!!!

さらに奥へ行けば行くほど、澄んだ深い色の淵が現れて、見惚れてしまってなかなか前に進めません(笑)
いつものことですが……

後ろ髪をひかれながら先へ進むと…あっという間に見えてきました!


駐車スペースからは、山道を5分、沢の遡上を10分ほどでしょうか。
すぐ横に国道があって、車がビュンビュン行き交っているとはとても思えない景色です。

う、美しい…。慎ましく物腰柔らかなのに、芯が通っている…。なんて素敵なんだ。

まるで、森の奥にある秘密のガラス温室のように、緑あふれる岩壁にぐるりと囲まれた 心が落ち着く空間…。

さらに、白砂が一面に敷き詰められた滝壺は、膝丈くらいの淡く輝くペールブルー!
まるで天然の浅いプールみたいです。

 

チョックストーンが生み出す、強力天然シャワー!

そして、とっても穏やかで優しげな 周囲の環境の中に燦然と流れ落ちる一本強い芯を通したかのような、お滝さま!!!

岩壁と岩壁の間に、すっぽりとチョックストーンが挟まっていて。
そこに水流が当たることで、流れが変わって、目の前にぴょーーん!!!!と大量の水が跳ね上がりながら飛び出してきます。

まさに水量が強すぎる天然シャワー状態!!!


とても自然の造形とは思えない美しさ。
神さまという建築家が綿密にデザインして、岩や水が職人として丁寧に作り上げた…。

そんなふうに思わせてくれる、すばらしい景色です。


ちなみに、本流を流れる滝の左横に、もうひとつ別の谷(ガイルゴ谷というのだそう)からの細い滝が流れ落ちています。
こうした二つの滝が出会う場所を「双門の滝」というそうです。かっこいい。


せっかくなので今回も、しっかり安全対策をして、水に入り、滝に打たれてみました。

気持ち良すぎる!!!

天然のシャワーは、頭のてっぺんから身体いっぱい、そして心のひだのひとつひとつまでも強い力で洗い流して浄化してくれるようでした。

 

優しく、さりげなく、そこにいてくれる存在

私ね、最近気づいたんですよ。
熊谷不動滝みたいな滝が、好きすぎる!って。

ひっそりと誰も知らない谷の奥に分け入ったところに、ほとんど誰にも気づかれないまま、でもずっとそこにあった、こんなにも美しい滝。
そういう場所に、なぜだかものすごく惹かれてしまうんですよね。

もちろん、例えば那智の滝、養老の滝、華厳の滝みたいな、観光地としてたくさん人が訪れて、多くの人の憩いの場になっているよう滝も、好きなんだけど。

それよりもさらに惹かれてしまうのは、やっぱ今回行ったみたいな滝なんですよね。


ふと気づいたんですが、私、滝だけじゃなく、そういう人のことが大好きなんですよね。
自分から「私、ここにいますよ、みんな来てね!」って言うわけじゃ全然ない。

ただその人は自然とそこにいて、で、やってくる人を受け入れてくれるんですよね。
来るもの拒まず去るもの追わずみたいな感じで、ただ優しく、さりげなく、そこにいてくれる。
たまに迷った時に会いに行くと、すごく優しい気持ちとか、生き生きとした心になれる。

そんなさりげなさ。
さりげなくて、でもずっとそこにあって、ぶれずにずっと流れ続けている。

そういう人のことが大好きだし、そういう滝のことが大好き。


私自身もそういう人を目指したい。そういう人でありたいなあ。
まだまだできてないとこもあるけど、日々そう思いながら生きています。

だから、そういう場所にきっとこれからもたくさん行くと思う。滝に限らず、山にも、道にも。

このブログやYouTubeを通じてそういう場所を紹介することで、読者さん・視聴者さんにとって、そんな居場所になれればいいなって。

大きくバズったりとか、派手に目立ったりとか、そういうことはないかもしれないですが…
ふと思い出した時に来てもらって、なんか癒される…みたいな。
自分らしい自分にちょっと出会えたような気がする、みたいな。

そういう場で在りたいなって思っています。


もう本当にね、さりげなくって優しくて日々誰にも気づかれないところでも、ちゃんとその人らしく、その人のままで誠実に生きてようとしている人、一生懸命生きてる人が、報われてほしくてたまらないって、ずっと思っている。

そんな人のための場所でありたいと思います。

また見に来てください。いつでも待ってます。

YouTube動画も公開しています

今回の滝旅のようすは、YouTubeでも映像でお届けしています。

ひっそりと流れる谷の空気、足元の白い砂、
水に飛び込む瞬間のきらめきや、
滝のシャワーを全身で浴びたときの心のほどけていく感じ……

文章だけでは伝えきれない、あの場の空気をできるかぎりそのまま映しました。

よかったら再生してみてください。

▶︎ [名古屋から1時間で行ける秘密の滝を発見!] – たまゆり自然部

https://www.youtube.com/watch?v=uV5nP1JaCc4

それじゃあまた!たまゆりでした。

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