みなさんこんばんは、たまゆりです!
現在、サンティアゴ巡礼を無事終えて、帰国までの残りの日々をイタリアで過ごしています。
今日で、日本を出発した日からちょうど2ヶ月が経ちました!
このあと、かつて留学していたフィレンツェの街で数日間過ごしたあと、ミラノから日本へ帰る飛行機に乗る予定です。
バルセロナからナポリに到着した飛行機を降りて最初に思ったのは「蒸し暑っ!!」ということ。
スペインでは、サンティアゴ巡礼中やその前後に、アンダルシア地方やガリシア地方、バスク地方、カタルーニャ地方…さまざまな地域に滞在したのですが、多少差はあれど全体的に空気はからりとしていた気がします。
ナポリは、スペインのからっとした気候に慣れていた私にはびっくりするほど暑かった…!
たぶん、日本に帰ったらこんな感じなんだろうなぁ。
ということで今日は、ナポリの港から船に乗って40分ほどのプローチダ島という場所へ行ってきました。
フィレンツェに留学していた時に、ナポリやその周辺のアマルフィ海岸、ポンペイ遺跡、青の洞窟で有名なかのカプリ島などは訪れていたので、まだ行ったことのなかった場所を選びました。
プローチダ島は、ナポリから足を延ばす目的地としてはどちらかというとマイナーな部類であるような気がするのですが、本当に行ってよかった!とっても素敵な場所でした。
島はそんなに広くはなく、歩いてぐるりと回ることができます。
特に何も決めずにぶらぶら島を歩いてみよう!とやってきたのは港の横のささやかな小さいビーチ。
まだ朝の10時だったけど、地元のおばあちゃんとお孫さんらしき2人がシートを広げて日光浴を楽しんでいました。
私はその横で、海に来たら恒例?のビーチコーミング!
小さな黒っぽい石の粒に混じって、細かいものから大きなものまで、たくさんのビーチグラスが落ちています。ナポリの街の方から流れてきたのかな。
そういえば、すこし話は逸れますが。ブログにはまだ書けていないけれど、サンティアゴ巡礼の最終地点・フィステーラの海辺でもたくさん貝殻を拾ったのです。
ホタテ貝は、みなさま知っての通りサンティアゴ巡礼のシンボル。
その巡礼の最終地点である地の果てフィステーラの浜でその貝殻が拾えるって、なんだか不思議。
私のブログを見ていつかサンティアゴ巡礼に来たい、と言ってくれた人たちへ、お守りとして渡せたらいいなぁと思って、小さな可愛らしい色のホタテ貝をいくつか拾ってきました。
いつか、その人をこの場所へ導いてくれるように願いを込めて!
さて、話をプローチダ島に戻して。
小さな浜辺をあとにして急な階段を上っていくと、すばらしい景色に出会いました。
アマルフィ海岸やカプリ島、北部のチンクエテッレなど、地中海沿いのイタリアの街や島には、斜面沿いに家々が連なる風景が多いのが特徴といえる気がします。
家をこんなにもカラフルに塗っているのは、漁業を生業としている島や街の人たちが、霧の朝にも海の上から自分の家がどこかわかるようにするためだ、と聞いたことがあります。お隣の家と色がかぶらないように…と塗っていったからこうなったのかな。
このプローチダ島は、今も変わらず漁業を営む人が多く暮らしているようで、港には漁の道具がたくさん置かれ、海辺には船の整備や掃除をする地元の男の人たちがいっぱいでした。
歩き回ったらお腹がすいてきて、映画、イル・ポスティーノで、主人公マリオの恋の相手ベアトリーチェが働くバールとして撮影に使われたレストランで食事をしました。
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そのあとは、同じく映画の撮影に使われたビーチへ。
小ぢんまりしたかわいらしい浜辺は地元の子供やおばあちゃんやカップルでいっぱい。
はしゃいでふざけあいながら、ビーチへと向かう小道を下りていく少年たち。
それぞれのお家の玄関に嵌められたとってもかわいらしく個性あふれる表札をたくさん見て回ったり。
島の一番はじっこにある、秘密基地みたいな灯台から海と島の全景を眺めたり。
1日じゅうたっぷり島の中を探検して、帰りのフェリーに乗り込んだのでした。
小さくて、長閑で、素朴な島。
決して派手なわけじゃないけれど、人々の生活に根ざした、作られていないありのままの美しさが残る、とても印象的な場所でした。
“生活に根ざした美しさ”。
その言葉を思い浮かべたとき、同時に思い出す出来事があります。
以前、新潟県の中野邸美術館を訪れた際に、お酒を飲むお猪口のコレクションに付けられていたキャプションを見たときのこと。
「この器でお酒を飲んだら、どんな気分になるのか想像しながらご覧ください。」と。
今まで私はそんなことを考えて器の展示を見たことがなくて、その魅力がいまいちわかっていませんでした。
なので、このキャプションを読んだときは、目からウロコが落ちたようでした。
そこに書かれてあった通り、自分がその器にお酒を注いで、手にとって少し眺めて、一緒にいる人と乾杯して、口をつけて、味わって、飲み込む…そのときの、器同士のたてるであろう音、唇や舌に当たる器の表面の質感、手触り、ひんやりした感じ…そんなことを想像しながらガラス越しの美しいお猪口たちを眺めたとき、初めて少しだけ、その魅力の片鱗がわかったような気がしたのです。
食器は、飾るためではなく使われるためにある。
そんなことを想像しながら展示物を見ていって、とても幸せな気分になったことをよく覚えています。
すてきな器は、きっと使われているときが一番美しい。
派手じゃなくて、素朴で、毎日の人々の生活と暮らしの風景に馴染んでいる。そんな中でふと、きらりと光る美しさこそ、本当の美しさである気がするのです。
うまくいえないけれど、きっとそれは街も同じ。
街は、見られるためじゃなくて暮らすためにあるものだと思うから。
世界には”美しい風景”がたくさんあるけれど、私はこの島のような素朴な暮らしに宿る美しさを、これからも探していきたいなと思ったのです。世界でも、日本でも。自分の暮らす街でも。
プローチダ島、本当に訪れてみてよかった!
なんだかすてきな心へのヒントをもらった気がする1日でした。
このブログをお読みくださっているみなさまも、近くを訪れた際には、ぜひプローチダ島へ立ち寄ってみてください。
明日はいよいよ、今回の旅の最後の地点であるフィレンツェの街へ向かいます。
楽しみだー!!!
それではおやすみなさい、たまゆりでした!
つづきはこちら
caminosantiago.hatenablog.jp
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