ヨーロッパ旅

ポルトガル・トマールの巨大迷路なテンプル騎士団修道院がすばらしすぎて泣いた話

みなさんこんにちは、たまゆり(@tamaoyurika)です!

今日は、今回のポルトガルの旅で訪れた中で一番印象に残った、トマールの修道院について書きたいと思います。

 

というのも先日、ツイッターにトマールの修道院の写真と動画を載せたところ、けっこうな反響をいただきました。

 

ツイートを見て「行ってみたい!」と言ってくださる方も多く、これは忘れぬうちに訪問記を書いておかなくては…!ということで、自身の備忘録も兼ねて書かせていただこうと思います。

 

トマールへ行くことにしたきっかけ

日本を出発する前に「地球の歩き方ポルトガル」をパラパラと眺めていたときは、正直言ってそこまでトマールの街に興味があったわけではありませんでした。

本の中でも、他の大きい街に比べれば紹介されているページ数も少なく、どんな街かいまいちイメージもわかなかった。

「なんか、有名な修道院がある街なんだな〜」くらいにしか思っていなくて。

特に、訪問する予定もなかったんです。

 

テンプル騎士団の本に影響される

それが、カミーノを途中でやめてレオンの街で寒さで部屋にこもっている間に読んだある本の影響で、すごく行ってみたくなったんです。

その本が「テンプル騎士団」。(そのまんまのタイトル)

タイトル通り、テンプル騎士団の結成から悲劇的な最期までの歴史を描いた本です。

Amazon Kindleアプリを使ってスマホでも読めるので、ぜひ旅の移動のお供に読んでみてください…!

テンプル騎士団 (集英社新書)

 

 

スペインの歴史をもっと知りたい

なぜこの本に興味を持ったのかというと、この時に歩いていたサンティアゴ巡礼のマドリードの道はひじょうに歴史的な建物が多く、スペインのキリスト教にまつわる歴史をもっと知りたくなったから。

それまでの私は、幾度かスペインを訪れて、キリスト教の巡礼道であるカミーノを歩いて居たにもかかわらず、その歴史をあまりよく知らなかったのです。

 

カミーノを歩く予定を早めに切り上げたこともあり、時間もあるし、せっかくだからこの現地にいる間に知識を深めてみよう!ということで、まず最初に手に取ったのがその「テンプル騎士団」の本でした。

 

テンプル騎士団のおおまかな歴史

テンプル騎士団の歴史をものすごくおおまかに説明すると…

聖都エルサレムを、イスラム教徒からキリスト教側勢力へ奪還するという目的で、ヨーロッパ各地から騎士たちが集まって行軍した「十字軍」というものがありました。

もとはその中のいち騎士としてエルサレムへ赴いた2人の男性が「エルサレムを目指す一般の巡礼者を保護する」という目的からテンプル騎士団を結成。

日本の士農工商のように「農家・神職・戦士」と身分が分かれているのが普通だった当時のヨーロッパにおいて初めて「神に祈る修道士」と「敵と戦う戦士」を兼ね合わせた存在が誕生しました。(自給自足もしてたから農家も兼ねてるかも…)

徐々に騎士団は規模を大きくし、教皇や王侯などからも厚遇を受けるようになり、一時はヨーロッパ中に大きな拠点をいくつも抱えるメガ組織となりました。

最後には、フランス王の金策に利用される形で、あることないこと罪を捏造され、総長をはじめとする中心人物が処刑されてしまい、テンプル騎士団は無くなってしまうのですが…。

が、そのあとも、テンプル騎士団の跡を継ぐような形で、ヨーロッパ各地の修道院や城を拠点にさまざまな騎士団が活動を続け、聖地巡礼をする巡礼者たちを保護した…

という話。(間違ってたらごめんなさい…!)

 

テンプル騎士団を足がかりに、カミーノを知る

スペインの歴史上大きな出来事である「レコンキスタ」とも関係が深く、

また、サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す巡礼者を保護していた「サンティアゴ騎士団」とも大きくつながりのあるテンプル騎士団。

 

テンプル騎士団についてまずは少しでも知ってみることで、スペイン全体の歴史と、巡礼道についての知識を得ていく足がかりになるような気がしたのです。

 

騎士団のポルトガルの重要拠点、トマール

そして、その「テンプル騎士団」の本の中にも、ポルトガルの重要な一大拠点として登場したのが、トマールの街の修道院だったのです。

え!!この街、地球の歩き方で見た!!

と思ってもう一度トマールの街の紹介ページを見ていたら、ものすごく行きたくなってきて…

今まさに熱中している本に出てくる場所に直接足を運べるチャンスはなかなかないぞ!と思って、トマールの街へ立ち寄ってみることに決めました。

 

トマールへの行き方

トマールの街への一番簡単なアクセスは、リスボンから電車に乗ること。乗り換えなしで約2時間程度です。

私は今回、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラから国境を越えて向かったので、ものすごく遠かったです(笑)

Flixbusという長距離バスでまずはサンティアゴからポルトガルのコインブラに向かい(所要7時間)、コインブラで電車に乗り換え1時間、さらに乗り換えて30分ほどでやっとトマールに到着できました。電車の本数も少ないので待ち時間がすごく長かった…(笑)

でも、トマールは苦労してたどり着いた甲斐がある、本当にすばらしいところでした。

 

町中テンプル騎士団だらけ…!

街へ降り立ってみると、さっそく小高い山の上にそびえるお城が見えました。

予約した宿へ向かって歩いていくと、なんと地面のタイルまでテンプル騎士団の十字柄!!

泊めていただいた宿も、中に入るとテンプル騎士団グッズでいっぱい。

スーパーに買い出しに出かけると、売ってるワインもテンプル騎士団にちなんだ名前のものがたくさん…!

まさに、テンプル騎士団の聖地…!めちゃめちゃテンションが上がりました。超にわかファンの私でもこんなにテンションが上がるんだから、もっと大好きな方・詳しい方はものすごく楽しいんじゃないでしょうか。

 

トマールの旧市街はさほど大きくはありませんが、まわりが自然に囲まれていてとても気持ちのいい街。

運河が流れていて、まわりが緑の多い公園になっているので、とてもさわやかな眺め。街並みもかわいらしい。メインストリートには数軒レストランやお土産屋さんが並んでいますが、オフシーズンということもあってか観光客の姿はまばらで、静かな街という印象でした。

ついに修道院へ

翌朝、急な坂道を登って、トマールを訪れた一番の目的である、修道院の見学に向かいました。

坂道が急で、石畳がつるつる滑るので転ばないよう注意が必要です(というか、ポルトガルの道は本当石畳が多くて滑らないように歩くのが大変…!ポルトガルの道を巡礼するのは、滑る石畳との戦いになりそうです)

 

め、めちゃくちゃでかい…!

あんな静かでのどかな街の上に、こんなにでっかくて立派なお城がそびえているなんて…かなり不思議な気持ちになりました。

手入れされた庭園を抜け、受付で入場料6ユーロを払って中に入ります。受付のお姉さんはとても感じのいい人で、日本人だとわかると丁寧な日本語で挨拶をしてくれた。

 

広大すぎる巨大迷路

中に入って見学すると…

なんじゃこりゃあああ。広い。広すぎるっ!!!!

そして、人が少ないっ!!!!

こういう素晴らしい状態で残った重要な歴史的建造物は、だいたい自分含めたくさんの見学する人たちであふれているもの。

だけどこの修道院の中に漂うのは………静寂。

ちらほらとすれ違う人もいるものの、大きな広間や吹き抜けの空間を、ほとんど独り占め状態で最後まで見学しました。

 

ここだけ異質に美しすぎる礼拝堂

この修道院内の、一番の見どころとも言える礼拝堂。この場所もひとりぼっちで見学できるタイミングがあり、ほんとうに贅沢な時間でした。

 

この礼拝堂、本当に美しいです。修道院内の他の場所が、どちらかというと質素で力強くそっけないような印象を与えるのとは真逆で、この礼拝堂だけが異質に色鮮やかで繊細な雰囲気。

戦士としての生活そのものは質素で、戦いに赴くことに重きを置いた建物は実用的。
それでもやはり彼らは修道士としても生きており、神様に祈るという行為にもそれだけ心を砕いていたのかな…と思うと、なんだか感慨深くなってしまいました。人間の中に同居するアンバランスな二面性を垣間見たかのような…。

この礼拝堂細かな装飾のほぼすべてが、天井や壁や柱にフレスコ画で描かれているのですが、その細やかさが半端ではありません。

立体的な彫刻で表現されたのとはまた違う繊細さで、ところどころに騎士団の十字をモチーフにした文様が描かれています。色使いも独特で、赤と金と白が基調になった堂内は日の当たり方によって違う印象を見せてくれます。

ほんとうに、いつまで眺めていても飽きません。

とても印象的な、忘れられない場所になりました。

 

騎士団員の息遣いさえ感じる居住スペース

そしてもうひとつ私が一番印象に残った、というかビリビリ来たのは…

騎士団員たちが生活していたという部屋がずらりと並ぶ居住スペース。

質素な石造りの廊下に小さな扉がえんえんと並ぶ光景は、どこか監獄の独居房を思い出させて…まわりにも誰もいなくてシーンと静まりかえっていることもあって、少し不気味さを感じてしまうくらいでした。

 

中世に使われていた当時の間取りがそのまんま残っていて、部屋の中にも入ることができます。

何人部屋だったのかなぁ、ベッドはいくつ置いてあったんだろう…そんなことを考えながら小さな窓の際に座って外を眺めてみる。

ここからの眺めも、きっと何百年前と変わらないはず。

ここに住んでいた騎士団員たちもこんな風に外を眺めたんだろうか…と思うと、なんだかぶわああああーーーーっと鳥肌が立つような気がした。タイムスリップしたかのように、彼らが生きていたこと、その時代のことを、その一瞬にまざまざと感じられたような気がしました。

 

あまりの没入感に、泣く

その体験をしてからは、なんだか、自分がまるでここで生活していた騎士団員であったかのような気持ちになってしまって。

ひとつひとつ見るものに、感激というよりどこか懐かしいような気さえもしてしまって、テラスのようになった日当たりのいい場所から隣の山を眺めた時は、なぜだかぶわっっと涙が出て来ました。

ものすごい激しい思い込みなのかもしれないんだけど、騎士団員の魂が乗り移ったみたいな…前世ここに住んでた私?とか思ってしまうほど、とにかく…すごかった。

そこまで没入してしまえるほど、この建物が当時のままよく保存されて、暮らしていた人たちの息遣いも感じられるほど大切にされているということなんではないかと思います。(そして他に人がいないのもすごく大きい)

 

マジで迷路、方向音痴は注意!

この修道院、何度もいうけど本当に広いです。完全に迷路です。住んでた人も迷ったと思う。

歩いても歩いても別の部屋があり、迷路のように階段がつながって、狭い廊下を抜けると広い回廊に出て、それを抜けるとまた別の回廊…

ただでさえ方向音痴の私は、冗談抜きで、めちゃくちゃ迷った(笑)

結局2時間半ほど、巨大迷路のような城の中を、ほとんど人と会わずひとりぼっちで彷徨い続けました(笑)

それでも全部の場所は見学しきれていなかった気がしますが…疲れたのと、電車の時間がせまっていたので、お城を後にしてまた坂を降り街へと戻りました。

 

トマールはサンティアゴ巡礼路上の街!

じつはこのトマール、南にある首都リスボンから北へ向けてサンティアゴを目指す、ポルトガルの道の巡礼路上の街でもあるそうです。街中でも、青地に黄色い貝殻のサインを見かけました。

トマールの城に住んでいた騎士たちは、街の警護はもちろんですが、サンティアゴを目指す巡礼者たちも保護してくれていたのかもしれませんね。

 

それを聞くとやっぱり、リスボンからカミーノを歩きたくなってしまう…!

今回はポルトガルの道を歩くことはできませんでしたが…リスボンから歩いてサンティアゴを目指す途中で、もう一度このトマールの城に立ち寄ることができたらものすごくいいなぁ、と思いました。

またやりたいことがひとつ増えてしまった…!!!

 

そんな、ポルトガル・トマールの訪問記でした。

みなさまも、機会があれば本当にぜひ、トマールの街と修道院を訪れてみてください。

スペイン・ポルトガルの歴史や巡礼道の歴史に深く触れられる体験になると思います。

 

 

めっちゃ長くなってしまった。

お読みくださりありがとうございました、たまゆりでした〜〜〜!!!

 

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POSTED COMMENT

  1. ドロスケ より:

    はじめまして!

    歴史画とか宗教画が好きなんですけど、
    礼拝堂はすごいですねー。
    壁や柱にもビシっと装飾が施されていてすごいです。
    生でみてみたい!

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