旅のその後

スペイン巡礼で出会った恋のゆくえ。私の新しい夢。

みなさんこんにちは、たまゆりです。
私は現在、イタリアのナポリにいます。

2週間ほど前にサンティアゴ巡礼道は歩き終えましたが、その後も引き続き旅を続けています。日本への帰国の予定は7月1日。
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しばらくブログを書けていなかったのですが、サンティアゴ巡礼道を歩き終えた後、私は巡礼道で出会い、好きになった人の住むタラゴナという街へ向かいました。
そこでしばらく彼と一緒に過ごした日々は、かんたんには言葉にできないほど深い深いものを私の心に残しました。

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自分の中でもまだ気持ちがまとまっていなくて、こうして書くことで整理をつけたいと思い、久し振りに文章を書くことにしました。

わたしのめっちゃ個人的な話しすぎてしかも抽象的すぎてお読みくださる方に申し訳なくお恥ずかしい気もするのですが(笑)、大事な私自身の一部の記録としてここへ残しておきます。
(サンティアゴ巡礼道上での彼との出会いについては、リアルタイム巡礼記の4日目〜12日目あたりをご参照ください)

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タラゴナの街で撮った写真も添えておきますね。
バルセロナから電車で1時間ほどのこの街は、連なるオレンジの屋根越しに覗く碧い宝石のような地中海と、街じゅうに残るローマ時代の遺跡が放つ、重くて力強くそれでいてどこか儚い雰囲気が混ざり合い、遠い時の流れを感じさせる、とても印象的な美しい場所でした。

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*  *  *

彼の存在は、私にとってなんだったんだろう。

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好きで、好きで、側にいると大好きすぎて、自分が自分じゃなくなった。彼のことを考えるだけで頭の中がぐちゃぐちゃになってきて、自分がどうしたいのかわからなくなる。今でも、自分でちゃんと決めてタラゴナを離れてここへやってきたのに、やっぱり一緒にいればよかった、って思う自分がいる。ああ、これじゃサンティアゴ巡礼道で、ロスアルコスの街で自分からお別れした時といっしょ。

彼への気持ちを言葉にするのはとても難しい。こんな風に誰かを好きになったのは生まれて初めてだったから。

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最初、わたしは彼を守りたい、って思ってた。ひとりでいろんなものを抱えて毎日を生きる彼を、できることなら包みたいって。今の自分にはとうていそんな力がないことも、きっと彼はそれを求めてはいないだろうこともわかっていたけど。でもそう思うことをやめられなかった。たとえ少しでもその孤独を埋められるなら、ほしいって言ってくれるならなんだってあげるのに。だってそれくらいのものを、サンティアゴ巡礼道を歩く毎日で、私は彼からもらったから。
今度は私がなにかあげたい。守りたい。心のどこかで傲慢だともわかっていたけど、一緒にいるときはずっとそう思ってた。

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けれど一人でいい、と彼は言った。なにもいらない、と。いつも優しい背の高い大きな背中は、いつも優しいのにいつだって寄り添われることを拒絶していたような気がする。私はそのことが寂しくて仕方なかった。自分の未熟さを思い悔しくて何度も泣いた。だけどあきらめたくなかった。

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私がタラゴナにいるあいだ、彼は私に色んなものを見せてくれた。
森を歩いた奥にひっそりとある美しいビーチ(ヌーディストビーチだった!)。海の底にいるような真夜中のテアトルはまるで彼のお城だった。すらすらよどみない彼の解説で、古い時代に迷い込んだようだった遺跡の回廊。満開のブーゲンビリアの木陰で冷たいビールを飲んだ眩しいテラス。市場でめいっぱい新鮮な海の幸を買い込んで、とびきりおいしいパエリアをごちそうしてくれたこともあった。
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そして金曜日、彼と同じ名前のサンフアンのお祭りの夜は特にとても印象的だった。

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目を開けていられないほど激しく炸裂する火花、内臓の奥底を止めどなく突き上げるような太鼓のリズム、広場で大きく燃える炎の灼けるような熱さ。

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お祭りの興奮に火照った体を、遠くでざわめく喧騒を背に、地中海のバルコニーで海風を浴びて冷ました。そして冷たいビールを飲みながら、金色の月を眺めて、真っ黒な海にさざめく波音を聞いて、色んなことを話した。私は泣き笑いで。彼はいつにも増して穏やかに見える瞳で。私の夢のこと、彼の生きてきた人生のこと、彼の魂の芯にある誇らしく愛おしい孤独のこと。彼は遠い目で海の方を見つめて少し微笑みながらそのことを話してくれた。その目の静かで美しい寂しさをたたえた輝きは、月明かりの夜の海にそっくりだ。

私はあの夜を忘れないだろう。忘れたくないな。出会えて本当に幸せだ、と思った。彼は私の天使。生きる目標。こんな人に出会わせてくれた神様に、そんな機会がこのわたしに与えられたことの、奇跡みたいなすばらしさに、心の中で何度も何度もお礼を言った。言っても言っても足りなくて、くりかえし。
そう、そして、きっとあの夜に、ああ、これでもうお別れだ、と胸の底で決めた。

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今こうして書いていてようやくわかった。そうか、わたし、失恋したんだ。気づくの遅え!笑

彼が私に注いでくれたのは、巡礼道で巣から落ちて迷っていた小鳥や親とはぐれた子鼠、麦畑に一輪だけぽつんと咲くポピーの花や、彼の家にあふれる植物たちにあげていたのと同じ愛だ。私にも等しくその大きい優しい手を差し伸べてくれた。彼が愛する世界の一部として。彼はわたしになにも求めなかった。わたしからなにも欲しがらなかった。わたしは最後まで、彼から色んなものをもらうばっかりだったんだ。

 

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そして自分の未熟さと、彼のいる場所との果てしない遠さを思う。彼に追い付くにはどうしたらいいのか、拾われた子猫みたいにただただ慈しまれて側に置いてもらうんじゃなくて、ちゃんと彼のそばに立つには、そんな人間になれるには、どのくらいの時間や経験や悲しみを乗り越えることが必要なのか。もらってばっかりの自分はもうたくさんで、彼に何かを返せる自分になりたい。もっと強くなりたい、もっともっと優しく大きくなりたい、ってそればっかり考えている。

そう、だから私は彼と別れてひとりでイタリアにやってきた。残りの旅の時間は、自分ともう一度向き合うために使うと決めて。強くなりたい。そのためには、私は私の旅を続けることが必要だと思ったから。

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いつかもっと強くなって優しくなって、もっと大きな自分で彼にもう一度会いたい。
この想いはきっと、今後のわたしの人生を支える大切な軸になるだろう。もっと素敵に優しく強くでっかくなって、もう一度会いに行きたい。それはわたしがこの旅で見つけた、もうひとつの新しい夢。

うん、こうやって書いたらとてもすっきりした。今ならこう言える。
彼に出会えて本当によかった。

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この旅を経て、サンティアゴ巡礼道を経て、彼やいろんな人たちとの出会いを経て、私は日本へもうすぐ帰ろうとしています。これからの自分がどうなっていくのか、私自身もぜんぜんわからない。だけど、とってもとってもワクワクしています。

これからもこのブログを通して、わたしの人生の行く先を一緒にワクワクしたり、こいつ大丈夫か?と不安になったりしながら(笑)見守ってくださる方がもしもみえるのなら、こんなに嬉しいことはありません。

うん。よーし!なんか元気出てきたぞー!!
明日はナポリから船に乗って、イル・ポスティーノというイタリア映画の舞台にもなったプローチダ島というところへ行ってきます。

それではみなさま、おやすみなさい。
たまゆりでしたー!!

つづきはこちら

 

 

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