みなさんこんにちは、たまゆりです!
少し久しぶりになりますが、今日の日記はいよいよゴールのサンティアゴを目前にして書いています。
前の日記から抜けている部分がありますが、取り急ぎ(笑)
6/13 【巡礼34日目】
サルセダ〜モンテ・ド・ゴソ
歩行距離 26.3km
巡礼道の終わりが近づいて、このところ、ずっと答えを見つけなきゃって思って歩いてた。
私にとってこの道を歩くことにはすごく大きな意味があって、人生のぜんぶをこの道に置いて歩いていたみたいなものだったから。私にとってここへ来ることは旅というより新しい人生だった。
だから、ちゃんと終わらせなきゃ、って思っていた。きれいに、円満に、巡礼の旅でこんなふうになりました、こんなものを見つけました、めでたしめでたし、って終わらなくちゃいけないと思っていたの。
だからゴールがあと100km、60km、30kmって迫ってきても、まだ、まだだめだ、まだゴールはできないって思っていた。足は前に進めていても、気持ちは尻込みして足踏みしたまま。まだ答えを見つけていない。この道に賭けてきたものに値する答えを見つけていない。だからまだサンティアゴには着けない。
歩き始めた頃、きっとこの道を歩き終える頃には、人生の答えに辿り着くんだろうって思っていたの。自分がなにかすごい悟りを得て、その先の人生を迷いなく進んでいけるような揺るぎない答え。確信。
でも、ゴールが迫ってもそんなの全然見えてこなかった。
それどころか、道も、心も、サンティアゴに近付けば近付くほど、雨にけぶる暗い森にさまようばかりで、歩き始めた頃の自分の無邪気な期待が懐かしくて、かわいそうで、いまいましいほどだった。
何の答えも見つけられない自分。人生の答えも、恋の答えも。何も見えない霧の中にいるような視界。
だから答えが見つかるまで、ちゃんとゴールする準備ができるまで待とう。それまでゆっくり歩こうって思って。
それで昨日は、沈んだ気持ちのまんま、ひたすら音楽を聴きながら歩いていたの。落ち込んだり疲れたりしている時にいつも聴く、映画グランブルーのサントラ。それから映画イントゥザワイルドのテーマ、LOVE PSYCHEDELICO、椎名林檎。
そして無性にもう一度グランブルーが観たくなって、アルベルゲに着いてからベッドの上で観た。
最後までちゃんと観たのは久し振りだったけれど、そこには今の私へのヒントがたくさん詰まってた。
この旅が終わってからフアンに会いに行こうかどうしようかずっと迷っていた。この道で出会って、別れてからも、毎日メッセージをくれた。毎日力をくれた。背中を押してくれた。私を私らしい私へ導いてくれた。大切な人。たぶん、他にいない。
だけど未来がわかんなくて。私には私の家族があって、日本でしたいことがあって、生きていきたい土地もあって。きっとそれは彼も同じ。ずっと一緒にはいられないかもしれない。一緒には生きていけないかもしれない。だから怖かった。私は私の気持ちを彼に全て注ぐのが怖かった。彼に気持ちを傾けて、もっともっと好きになって大切になって、私の人生の全てになってまうのが。失う時が怖かった。
だからずっと尻込みしていた。
あなたが愛してくれるなら、その保証があるのなら、私もあなたを愛することにする、みたいに思ってたのね。でもそれじゃ本当の愛は私の元にはやってこない。
この巡礼道に人生全部で挑んだからこそ、この道がそれだけ大きく応えてくれたように。
この映画は、ジョアンナは、ちょうどそんな自分を見ているみたいだった。人生の中でも大切にしていて、何度も観た映画だったけれど、そんな風に思いながら観たのは初めて。
「Let’s talk about my world. My world is you.」この道を歩く毎日で少しだけ英語に慣れた耳に、ジョアンナの叫びが刺さった。
私はずっとジョアンナのようになるのが怖かったんだろう。でも、この映画を結末まで観終わった時、それでもいいや、って思った。そうなることこそ恋だ。想いに全て賭けて、時に全て失って、そうなることこそ醍醐味だ、人生の。
そして今日、朝からバルでワインを飲みながら、私の中で腹をくくった。全部失うかもしれないとしても全力で心が向かう方向へ全て注ごうって覚悟。
くくれたと思う。たぶん!笑
そしたらなんだかものすごくすっきりして。そしたら不思議に空も晴れてきた。ああ、こうやって書くとほんと作り話みたい!でもほんとなの!笑
森を抜けて広い場所に出たら、日差しがぱあっと差して、風がさあっと吹き抜けて、花が揺れて、牛はのんびり草を食んで、草原の真ん中に立つ木はさわさわ音を立てた。
その中で立ち止まって風と陽を浴びながら、私は長い霧の中から抜けた気がした。
あーそっか。そうだ。答えとかないんだ。
きっとどれだけ人生を過ごしたって、おばあちゃんになったって、死ぬ時になったって、答えなんか見つかりっこないんだ。
これこそが人生の真理だ!この究極の答えさえあれば、この先ずっと幸せに生きていけるんだ!っていう答えなんてない。
ずっとそれを見つけたくて生きてきた気がするけど、きっと本当はそんなのない。
幸せを見つけて、でも見失って、もがいて苦しんで泣いて、また新しい幸せを見つけて…そうやって歩き続けるしかないんだな、きっと。もがきながら。
人生とはなにか、という問いに対する答えは、何度でも書いて消して、また書き直す。
二度ともがいて苦しまなくてもいいような究極の答えも悟りも見つからない。そんなものはない。それでいいんだきっと。
なんだかやっとそのことがわかったよ。
この巡礼道の終わりに、私は答えを探してた。だけど、見つからなくていい。終わらせなくていい。
「答えなんて見つからない」それが今の私の答え。かも。
かも、とかきっと、とかたぶん、ばっかり(笑)
だってほんと、未来のことってわかんない。
今は霧から抜けて晴れ晴れとした気持ちでいるけれど、またこの先人生を歩いて行ったら、何度でも霧の中に迷い込むんだろう。で、その度に、もやもやしたり、もがいたり、時には死んでしまいたくなったりするんだろうね。そしてまたそこから抜け出して、生きていてよかったって思ったり。そうやって生きていくんだ。これからも。
うん。そう思ったら、すっきりした。すっきり!
今の私なら、サンティアゴに向かって歩いていけそう。
胸張ってゴールを目指したいと思います。
自分の中でも今生まれたばかりのホヤホヤな気持ちばっかりで、うまく伝わらなかったらごめんね。全力で書きました。こうして今の私の気持ちをそのまんま書いたことが、将来迷った時の私や、今迷っている誰かのヒントになったらいいね。
それでは、また!たまゆりでしたー!!!
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