みなさま、お久しぶりです。たまゆりです。
この度、転職を機に、長くお世話になってきた犬山を離れ、三重県の熊野・御浜町に引っ越しをすることになりました。
現地でのお仕事が12月から始まるので、11月末には引っ越しをする予定でおります。
ブログでも、お知らせをしよう、しようと思いながら、身の回りの整理をしていたり、色んな方に会っていたりしたら、こんなにギリギリになってしまいました…!!
私は、生まれこそ岐阜県ですが、小学生の頃父が亡くなって以降母の故郷の犬山に引っ越し、それ以来20年以上ずっとここに住んできました。
イタリア留学や山小屋でのお仕事などで期間限定で犬山を離れたことはあっても、完全に別の場所で生きていくことは、考えてみれば今回がはじめてになります。
この秋、これまで5年間お世話になってきた、犬山城下町の木のお店が閉店してしまうことになり、自分の進路をいろいろ考えました。
これまでやってきた、写真・文章・イラストなどを使って人にものや人や土地の魅力を伝えるデザインの仕事と、現場で人に接する仕事が大好きで、たとえ職場は変わってもそれを続けていきたい気持ちがありました。
はじめ閉店の話を聞いた時にはめちゃくちゃ焦り、「とりあえず」という感じで、デザイン職を地元で探そうと考えていました。
しかし、それを聞いた頼れる友人たちが、私の背中を押してくれました。
「これはむしろ、ピンチじゃなく、新たな世界に向かっていくチャンスなんじゃないか。」
「あなたは今、自由なんだよ。どこにいって何をすることもできるんだから、自分を殻に閉じ込めてないで、いろんな可能性を考えてみたら?」
そんな言葉に勇気をもらって、思い浮かんだのは、ずっと漠然と夢見て憧れていた
「海と山がある場所に住みたい」ということでした。
そして、そう考えて具体的に思い浮かぶ土地というのが、スペイン巡礼の旅を通じて知った、熊野という土地でした。
これまでも、ブログを通じてありがたいご縁をいただいて、何度となく訪れていた場所。
あたたかい人たちに、美しい海、深淵な山々、神秘的なエネルギーに満ち満ちた大好きな土地。
そして、なんとその熊野を探してみると、私がやりたいと思っていた仕事が見つかったのです。
大好きな土地で、大好きな仕事に携わることができる。こんな素敵なことがあるだろうか。
もう、それからは夢中で、募集先の担当の方に電話をかけ、メールでのやりとりをして、応募書類を必死で作り、現地での面接に赴きました。
一次審査の設問に「御浜町の特産のみかんを使った商品を考えてください」というのがあって、一時期は寝ても覚めてもみかんのことだけを考えていました(笑)
そして、現地の役場の方、職場のマネージャーの方々との面談の末、ありがたいことに、採用していただけることになりました。
「地域おこし協力隊」という制度を利用して移住することになります。
そして、現地の観光業務を主旨とした社団法人で、さまざまな媒体を通じた地域の魅力発信、ツーリストインフォメーションでの観光案内業務や企画に携わらせていただきます。
面接の時にお会いした、一緒に働くことになる人たちも魅力的な方ばかりで、海と山に囲まれた暮らしはもちろん、新しい人とのご縁、この場所だから挑戦できるお仕事に、とてもワクワクしています。
ただ、長くお世話になってきた犬山の土地を離れることには、不安を感じていました。
ずっとお世話になって自分を育ててくれたこの町が、今後も発展していく様子を近くで見られない寂しさ。
そして、そこに微力ながら自分の力を生かせないことに、どこか後ろめたいような、ご恩の持ち逃げになってしまうのではという、気持ちもありました。
しかし、たとえこの犬山に住んでいなかったとしても、私が熊野の土地でまた新たに成長できれば、きっと別の形で恩返しをできる機会もやってくるのではないか、と思いなおすことができました。
それに、高速を車でぶっ飛ばせば、3時間で着ける距離なんだし!
犬山を離れることを報告したとき、多くの方が背中を押してくださったことがそう思えた何よりの理由でした。
「寂しいけれど、新しい門出だね。おめでとう」と、自分のことのように喜んでくださった方。
「まあ、がんばってこいや」と暖かく送り出してくださった方。
それが本当に嬉しくって…ああ、書いてるとなんか泣きそう。
とにかく、本当にこの犬山は私にとって間違いなく大切な故郷です。
おおげさかもしれないけど、いつか錦を飾れるように!
精一杯やってきたいと思います。
これまで、未熟すぎて、たくさん迷惑をかけたり、失礼なことをしてばかりだったり。
それでもこんな私を見捨てずに、根気強く育て、導いてくださった方々に、感謝を伝えても伝えきれません。
コロナ禍がまだ始まってすぐの頃、海外旅行に行けなくなった私は、「責任」という言葉についてこんなことを書いていました。
今の私に足りなかったものは、これなのだ。
そして「仕事」とはきっと、それを培うための場にふさわしいのだと思いました。
手に入れようとしている新しい燃料とはなんなのか、それは言葉ではまだうまく表せないのですが「責任」とか「だれかの信頼」とか。「やり遂げようとする力」みたいなものなのかもしれないなと思っています。
私はずっと自信のなさを裏返しにして、自分に言い訳して、できない理由を探して、挑戦をしてこなかった。
それじゃあいけないと、教えてくれた人がいた。真に成長したいのならその殻を破れと。はじめはその愛情がわからなかった。窮屈に感じたり、押さえつけられていると勘違いしたこともあった。
けれど、なんでも許すだけが愛情ではない、誰かを育てるためには、ときに叱ることも必要。
そしてそれは、全てを許し受け入れる器の大きさがあるからできること。それはとても難しいこと。
私の人生にそんな存在が現れてくれたことに感謝したい。そのおかげで、私は今、新しい帰路に立てている。
亀のようにゆっくりとした歩みですが、それでも、3度目のスペインの旅から戻ってすぐのあのひどかった状態から(笑)少しでも成長できた自分を誇りに思えます。
ほんとうに、ありがとうございます。
そしてこれまで、歩く旅・このブログを通じたご縁で、熊野という土地に出会わせてもらって、幾度となく熊野古道を歩いたり、泊めていただいたり、現地の方にお世話になってきました。
旅人という立場ではありましたが、これまで熊野でいただいた経験やご縁が、私の人生に与えてきた影響は計り知れないと思っています。
「よみがえりの地」とも言われる熊野ですが、スペインのサンティアゴ巡礼道同様、やりたい仕事もなく自分自身の価値にもまったく自信を持てず、自暴自棄に生きていた私を、闇から救ってくれた場所です。
だからこそ、これからはその熊野に恩返しをするような気持ちで、日々を暮らして、お仕事に携わって、私のできることでせいいっぱい貢献していけたらと思っています。
以上、遅くなってしまいましたが、ご報告でした!
中山道・木曽路の鳥居峠にて。
(現在、途中までで通行止めです)落ち葉を踏み締めながら歩く音は秋の木曽路歩き旅の醍醐味のひとつです!
でもいちばんはやっぱり、栗のお菓子かな〜🤤 pic.twitter.com/u3k7yjo7Ux— たまゆり (@tamaoyurika) November 4, 2021
TwitterやInstagramでは更新したのですが、先日中山道もまた歩きに行ってきたので、近々レポをアップできたらいいなと思っています。
それでは、また!
たまゆりでした。