みなさまこんばんは、たまゆりです。
先ほどこんな記事を書きましたが、わたくしたまゆり、来年は山で働くことになりそうです。
こうなるまでに、実はかなりの長い期間、どうしていくべきかどうしたいのかを迷いに迷い悩みに悩みまくっていました。
今日は、そんな思い悩みながらもでも前に進もうとしていた日々のことについて書いてみようと思います。
「私はこのままでいいんだろうか?」
私は、今の仕事をとても気に入っています。
働き方も、仕事の内容も気に入っている。休みには登山に一緒に行ける相手がいて、仕事が忙し過ぎて好きなことができないなんてこともめったにない。
今までそうとう仕事を転々として来た私が初めて(傲慢さを恥じずに言えば)「ここならずっと働いてもいい」と思ったところでした。
そして働き始めて1年くらいが経とうとした頃、こんなふうに考えるようになりました。
「ずっとこの会社に勤めて、キャリアを積んで、そのうち結婚して、子供とかも生まれて…。このままいけば、そんな人生になっていくのかな」と。
それはものすごく安心で、安全で、魅力的に見えるビジョンでした。
しかし、同時に心の中には言い知れぬモヤモヤが生まれました。
「本当にこのままでいいのか?」
「このまま流れに乗って進んでっちゃってもいいのか?」って。
正直、いやだ。
まだまだやれてない、挑戦しきれてないやりたいことがいっぱいある。
そうして浮かんで来た願望の一部が「山小屋で働いてみたい」だったのです。
(その願望の全体像についてはまた改めて書きたいと思います…!)
やりたい、でもきっと無理。無限ループの葛藤
でも、そう思ったはいいものの。
実際それをやってみることは、その時の自分にはあまりに非現実的なことに思えました。
こんなふうに満足している良い仕事を蹴ってまで、その先の安定した幸せを捨ててまで、それをするのはおかしいんじゃないか?
しかも、山小屋って、すごく体力も忍耐も必要な仕事だし。自分には務まらないんじゃないか?
その先の夢だって、今の自分じゃ力不足過ぎて、実現できるかわからない。そんな根気が持てるほど、この夢は本当に情熱を持ち続けられることなのか?
そんな不安ばかりが頭をよぎりました。
諦めたほうがいいのではないか。
でも、やりたい。心に嘘をつきたくない。
でも、そんな無茶なこと、周りにまた心配かけるし、やっぱりやめたほうがいいんじゃないか…。
そんな無限ループの葛藤に、かなり長い間苦しんだように思います。
悩み疲れて、ふっきれて
しかしそうして長い葛藤が何ヶ月か続いて、考えるのにもほとほと疲れ果てたある時、ふとこう思ったのです。
「やれるかやれないかは置いといて、とりあえずボールを投げてみようかな?」と。
「もしも実際にはやれないとしても、とりあえず応募するだけなら何も失うものもないんだから」と。
自分の中で、何かが吹っ切れたような感覚でした。
そうして、上に書いたようにまずは「山小屋 アルバイト」とgoogle検索するとことから始まり、その次に思い切って電話をかけて、履歴書を書いて応募するところまでをやってみたのでした。
「小さな自信」のつみかさね
すると、あることが起きました。
自分の中になんとも言えない、誇らしいような嬉しいような気持ちが生まれたのです。
それは、小さな「自信」でした。
そうか、たとえすぐに実現できるだけの力が自分になくても、こんな小さなことならできるんだ。
自分には何もできないわけじゃないんだ。
すぐには無理でも、少しずつなら進めるかもしれない。
明日はもう少しやってみようかな。
そんなふうに、ひとつひとつは取るに足らないかもしれない小さな小さな行動を、日々積み重ねていくうちに
「自分にはきっと無理だろう」だった気持ちが、
「自分にも、夢を実現することができるかもしれない」と少しずつ変化していったんです。
もしかしたら、できるかもしれない
そうして先日、応募していた山小屋から採用の通知がありました。
前の自分だったら、もし働いていいよと言われても「いや、自信がないのでやめます」と断っていたかもしれない。
でも、今なら大丈夫という気がしました。
体力がないなら、少しずつつければいい。
やれるかどうかはわからなくても、まずは今日できることをはじめてみたらいい。
そうすれば、今はできなくても数ヶ月後、半年後にはもしかしたらできるようになっているかもしれない。
もしかしたらめっちゃ強靭な肉体を手に入れてるかもしれん(笑)
だから、私は山小屋で働いてみることにしようと思います。
今手元にあるボールを、とりあえず投げてみることの大切さ
今回の、自分に起こったそんな出来事で学んだこと。
それは、今すぐできる小さな一歩を、踏み出してみることの大切さでした。
今手元にある小さなボールを、まずは投げてみるっていうほうがしっくりくるかな。
本屋さんとか図書館で実現に役立ちそうな本を読んでみるだけでもいい、
google検索して、情報を集めてみるだけでもいい、
そこからまたほんのちょこっとだけ勇気を出して、問い合わせてをしてみてもいい。
それをするだけで、自分の中に小さな自信を積み上げていくことができる。
そしてそれが積み重なれば、夢に立ち向かう大きな自信になるはず。
思えば、3年前にサンティアゴ巡礼道を歩こうとした時も、まったく同じことが自分の中で起こっていた気がします。
はじめは絶対に無理だと思っていたのに、「サンティアゴ巡礼道」ってgoogle検索をして、歩いた人のブログを読んで。それから本屋さんでガイドブックを買って。持ち物リストを作ってみて、アウトドアショップを調べて、そして思い切って靴とザックを買って。それではじめて山に出かけて。ブログをはじめて、航空券をとって。
ひとつひとつの行動は、すごく小さいものだったかもしれない。
でも、それが積み上がったから、ああしてスペインの道を800km歩ききることができた。
そう思います。
迷ったら、まず手元にあるボールを見てみよう
今すぐやるって決められなくても全然いい。
結局はやらなかったとしても、それはそれで全然大丈夫。
でも、行きたいなって思う方向に向かって、今すぐに投げられるほんの小さなボールを今日、いま投げられたら…。
少しでも前に進める。何かが変わる。
少なくとも、自分で自分のことを好きだって思えるようになる。
これからも迷いまくりの生き方になるのでしょうが、
そんなことを、迷うたびにこれからも思い出せる自分であれたらいいと思います。
* * *
…以上です!!
なんかこの頃あまりに色んな変化が自分に起こっていて、なかなかこうして書くのがおいつきませんが。
自分のためにも、もしかしたらこのブログを何かのヒントにしてくださっているかもしれない方へも、ちょっとずつでも今のこの自分を書き残していけたらいいなと思います。
ここまで長々とお読みくださった方、ありがとうございました。
それではまた。
たまゆりでした!
おわりに
今回私が悩んでいた時に、ヒントをもらった本。
吉本ばななさんはこのエッセイの冒頭で「濡れて絡まって重くなった洗濯物を干す」ことに喩えていらっしゃいました。
端から一枚ずつただ分類して、ひたすらに干していく。叩いて、伸ばして、整えて。ただただ干す。
するといつのまにか奇跡のように洗濯物の山は減っている。気づいたら終わっている。ひとえに自分が手を動かしたからである。
ほとんどのことはそんなふうにできていると思う。
(中略)
手元にあるたった一枚の書類から、一本の電話から、ひとつの食材から、こつこつと積み重ねることで、いつのまにか大きな何かが生まれている。
これまでこの世になかったものが、自分のこの小さな手によって初めて創られる。
人生に実るそんな果実、それを幸福と呼ばずしてなんと呼ぶのだろう。
- 作者: 吉本ばなな
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