リアルタイム巡礼記2019秋

【マドリードの道4日目】雨からも風からも、自分の身を守れるしなやかな強さを。

こんにちは!たまゆりです。

ただいまスペインは夕方17時半をまわりました。アルカサレンという街のアルベルゲのベッドの上で今これを書いてます。外はめっちゃ寒いです。

最近学習したのですが、この辺りのこの季節の天気は、午前中は比較的安定した天候で、午後になるにつれて雲が増え、夕方になると嵐が来て冷たい雨が降ります。

なので、今朝から早出早着を…心掛けているんだけどね…(寄り道多すぎてなかなか前に進まない)

 

そういうわけで、まず昨日の日記から。

【day4 Nava de la Asunción-Coca 8km】

昨日は、ホテルを昼の12時くらいに出て、のんびり歩いた。

風がめちゃくちゃ強くて、まっすぐ歩こうとしてもなんか自然に横にずれていく。小さい頃憧れたみたいに、傘差してジャンプしたら空飛べそう。絶対傘壊れるけど(笑)

ナバデラアスンシオンの街を出て、一瞬見えた青空。

ものすごく空が高くて、透明ですごく澄んだブルーの空に、うろこ雲が浮かんでいて…秋だなぁって感じた。あたりまえかもしれないけど、スペインにもあるんだね、うろこ雲。スペイン語だとなんていうんだろう。

 

空が青かったのは一瞬のことで、その後すぐに暗い灰色の雲が、強い風に流されて押し寄せてきた。

雨がときおりぱらつく中、今日もひたすら、松林を歩く。

昨日松林を歩いていたときは「静かだな」と思ったけど、今日は「にぎやかだな」と思うようになった。

風にあおられて、針葉樹の細い葉っぱの1本1本がぶつかり合う音が「ザワザワ」という響きになって、聞こえてくる気がした。まるで歌っているみたいだ。

 

昨日から歩いていて思うけど、風をまともに受ける平原にはこういった針葉樹がたくさん生えている。逆に、風を遮る川沿いの谷には広葉樹が多くて、金色に葉っぱが紅葉している。

 

松の木達は、強い風にふかれても吹き飛ばされない、頑丈な葉っぱと折れないしなやかな幹や枝を持っている。

植物たちは、ただそこに動かず変化せぬまま立っているだけじゃない。

きっと何世紀も前から風や雨や寒さや、気候に合わせて生きる術をつくりあげてきたんだなぁと思った。

 

私も同じかな、と、ちょっとおこがましいかもしれないけれど思った。

前回は、雨に打たれて寒さに震えて、風をひいて体調を崩して、ろくにまともに巡礼の道を歩くことができなかった。

でも、今回は、その失敗から学んで、そういう自然の変化から、少しでも身を守る術を覚えた。

 

植物たちのように自分の皮膚や体のかたちを変化させられるわけではないけれど、今の私は、自分を守るバリアーを持っている。

それは例えば体調管理を知ることであったり、自分の体を鍛えることであったり、寒さや雨から体を守ってくれる装備たちであったり、支えてくれる人の存在であったりする。

そしてそのことが、精神的な安定にもつながって、楽しみながら、自分を生かす周りの世界に感謝しながら歩くことにつながっている。

 

以前の旅の時、尊敬する人から「もっと図太くなりなさい」と言われた。

そのときはいったいどうやってそうなったらいいのか全然わからなかったし「図太くなる」ということにある種の後ろめたさを覚えている自分がいたから、うまくその言葉を飲み込むことができなかった。

でも今は、少しずつ、それがどういうことか分かってきた気がする。

 

図太くあるということは、1つは、自分の身を守るカッパを持つこと。物理的な意味でも、精神的な意味でも。

いつもカッパを着てばかりいるわけじゃない。自分を守るバリアーを脱ぎ捨てて、思い切り太陽の光を浴びることはとても大事だ。

でも、雨が降ったら、風が吹いたら、ちゃんと自分の身を守れること。心を守れること。必要な時に適切なカッパを見極め、それを使うこと。

 

そしてもう1つの図太さとは、得られる養分を、自らの生命を燃やすために、貪欲に得ようとすること。物理的な意味でも、精神的な意味でも。

そのことに抵抗があったけど、今ならわかる気がする。生まれてきたからには、他の生物からエネルギーを得て生きるより他にない。だとしたら、それによって燃やす自分の生命は、全力で燃やさなくては失礼だ。

必要な養分を得て、それによって健やかに楽しく生きる。そしてそうすることで、自分を通して世の中に価値を循環させる。淀みなくエネルギーを変換し循環させ、それによって新しい価値のようなものを生み出す。そのために、養分を貪欲に得ることを、躊躇わない。

 

そういったことこそが図太さであって、私の求めるしなやかな強さなのかなと思った。

たぶん、峰不二子がかっこいいのはそのどちらもを持っているからじゃないかな。って思います。(最近ルパン三世にハマっている人)

 

 

そんなことを考えつつ歩いた4日目。

コカの街に着いて、アルベルゲの近くまで歩いていくと、向こうから歩いてきた男性が声をかけてくれ、オスピタレイラさんのところまで連れていってくれました。

チャロさんというとても親切な女性で、私が一人で来たことを知ると「なんて勇敢なの!」と何度も何度も言って、ものすごくあったかいハグをしてくれた。

アルベルゲもとてもよく手入れのされた一軒家で、気持ちよく過ごすことができました。

 

しばらくすると、一人の巡礼者の男性がアルベルゲにやってきて。

なんとそれは、数日前にマドリードの教会で出会った人だった!

マドリードの道の序盤は全然アルベルゲもお店も開いていなくて、野宿をする羽目になり、結局セゴビアまで電車を利用して歩いてきたのだそう。

アメリカのオレゴン州から来たイーサン。とても気さくで、久しぶりに誰かと思い切り喋るのが楽しくて、一緒に夕食を食べに出かけました。

 

コカの街にはとても珍しい形をしたお城が、とても綺麗な状態で残っていました。

残念ながら時間が合わなくて中は見学できなかったけれど…

まるでラピュタでシータが幽閉されてたお城(伝わるのかこれ)みたいでワクワクしました。

マドリードの道の沿道の街には、こういった歴史的な建造物がとても多く残っている気がします。

もっと歴史のことを勉強しなくてはなあ、と思う。

 

そんなこんなの、ゆったりした3日目でした。

つづく。

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