リアルタイム巡礼記2016

【巡礼記13日目】土砂降りの雨に打たれて。サンティアゴ巡礼は人生の集中特訓コースだ

みなさんこんばんは、たまゆりです!
ただいまスペインは18:30。
ブルゴスという大きな町のアルベルゲからこれを書いています。

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先ほど見学してきたブルゴスのカテドラル。

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とても美しいステンドグラスの薔薇窓に見惚れます。

というわけで本日の日記です!どうぞ!

 

5/22
カルデニュエラ・リオピコ〜ブルゴス
歩行距離 21.3km

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6時半ごろ目が覚めて、のんびりと準備。
下の階のバルに降りて行ったら、ノエルもデニスもマリウスもそこにいて朝ごはんを食べていた。

私も、カフェコンレチェとスモデナランハと苺ジャムとマーガリン付きのトーストで驚きの2ユーロという朝食セットを頂いて、じゃあまたブルゴスで会おう、とみんなと握手を交わして出発!

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朝から暗い雲がたちこめていた空からは、10分も歩かないうちにぽつぽつ雨が。

最近お天気が続いて歩く地面もひび割れてかさかさに乾いていたのを見ていたからか、少し嬉しいような気持ちになる。心なしか麦の穂も、ざわめく風にわさわさ揺れて嬉しそうに見える。

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雲の流れがとても早くて、たまに一瞬だけ青空が覗く。こういう時の、雨雲と隣り合わせの空の色が大好き。白い画用紙に乗せた、乾く前の透明水彩のブルーによく似ている。みずみずしくて透明な生まれたての青色。

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ブルゴスの空港をぐるりと囲むように伸びる道を歩いている途中、町の向こうにかすかな虹が見えた。
雨なのになんだかとてもうれしい気分。鼻歌すら飛び出す。空は今にも降り出しそうに暗くて、それでもわくわくしていた。

 

それから少し先へ歩いて、道がブルゴスの郊外に入り始めた頃、空がみるみる真っ暗になって、とうとうザーーッと大雨が降り出した。

今日の区間は、ガイドブックによると”無味乾燥なアスファルトの道として有名であり、ブルゴスまで8kmの道のりをバスで移動する人も多い”とのこと。
だから昨日の夜や出発前には、私もバスを使っちゃおかなぁって考えていたの。

ちょうど大雨が降りだすか降り出さないかのときにそのバス停を横切ったから、一瞬迷ったけれど、そのまま歩いて、どしゃ降りの雨の中を進むことにした。
雨が降ることはそんなにつらくない、と思った。どんとこい。かかってらっしゃい。むしろそういう苦しい思いすら味わいたくて、その苦しさで生きている心地を感じたくてここへ来たんだという気がした。

そこから先の数キロは本当に雨がひどくて、激しい雨が顔に当たって目も開けていられないくらい。レインウェアを着ていても、袖口から染み入る雨で服のそでがびしょびしょになった。前髪も濡れて雫が滴ってる。広い車道を走る車のドライバーが、狭い歩道をびしょ濡れになって歩く私をぎょっと見ながら通り過ぎていく。
一瞬、あっ、やっぱりバス乗るべきだったかもこれ、と思った(笑)

 

それでも怯まなかった。すごい雨だ、と思ったけれど、この雨の中を歩ききってやるぞ、フフフ、見てらっしゃい、と、びしょびしょになった顔に不敵な笑みを浮かべられるほど余裕だった。
(土砂降りの時の写真を撮る余裕はなかったけど!笑)

 

今日の自分がそんな風に思えたのは、もしかして今までの修行の成果かもしれない。
今までの修行の成果。ここ数日、歩きながらそう思えることが増えた。

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歩きながら、次の一歩をどこの地面へ踏み出すか。例えばアスファルトの上を通るか、脇の狭い土の道を通るか。どの場所で休憩するか、どのアルベルゲに泊まるか。何時まで寝るのか。どの街まで歩くのか。そういうすべてを、細かな一瞬一瞬の選択を、自分の心だけに従って決めるようになった。したくないことはしない。他の誰がどうしていたって、私は私の心と直感だけで、判断して行動する。私はこの道でその修行をしているような気がする。
その積み重ねで、土砂降りの雨に打たれても怯まない今が在るのだろうと思う。

 

私が今までこの道の上で仲良くなった大好きな人たちは、みんなこう言う。「これは君のカミーノだ」と。
「これは君の、君だけのカミーノなんだから、君が思うように行動したらいいんだ」と。今日行く街、今日食べるもの、今日眠る場所、今日話す人。それを決めるのはすべて自分だ。自分の好きなように行動すればいい。

 

カミーノ、という言葉を人生、に置き換えてみると、何かがすとんと腑に落ちるようだ。
「これは君の、君だけの人生なんだから、君が思うように行動したらいいんだ」と。

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私はサンティアゴ巡礼道を歩くことで、生きる練習をしているような気が、ずっとしている。
ほんとうにすごいところです、ここは。
これは人生の修行だ。私にとってサンティアゴ巡礼は、生き方の40日間集中特訓コースだ。

 

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ブルゴスの街に着く頃には、土砂降りの雨は上がって、きらきらと陽が射していました。
アルベルゲの受付前に着いて、濡れた全身で陽射しをさんさんと浴びながら、同じくずぶ濡れになった他の巡礼者のみんなと、ハイタッチして喜んだ。ほんとうにすばらしかったね、と。歩いてきてよかったね、と。みんなとても清々しい顔でお互いを讃え合う。自分もふくめて、それぞれの顔に誇りが輝いている気がした。

 

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本当に歩いてよかった。本当にここへ来られてよかった。
これからもこの道を信じて、この道に来ることを決めた自分を信じて、見えるものも見えないものも大切に毎日歩きたいと思います。

 

ブルゴスに着いてから、雨上がりの空気に華やいでにぎやかな街がうれしくて、バルを三軒はしご(笑)
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ガリシア風タコ、めっちゃおいしかったー!!!

 

おいしいものたくさん食べて、今日は洗濯さぼってウォッシュマシーン&ドライマシーンを使って楽して笑、いっぱい日光浴して、エネルギーチャージ!

明日も先へ進みたいと思います。
修行はまだまだ続く!たまゆりでした!

 

 

つづきはこちら!

 

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POSTED COMMENT

  1. Camino de Amigo より:

    初めまして。私も去年の6月から1ヶ月半かけて歩いたので懐かしく思いながら拝見してます。1ヶ月時期がずれるだけで景色が違ってて面白いですね。緑が多くてとっても素敵♡
    で、思わずコメントしてしまいました。
    いっぱい楽しんで来てください!!!

  2. tamayuri0123 より:

    Camino de Amigoさん
    初めまして。コメントを頂いてから返信がとても遅くなってしまいましたが、素敵なコメントをくださりありがとうございました。
    5月からか6月からで景色がけっこう違うのですね。どの季節に歩いてもきっとその季節だからこその素敵な景色や出会いがあるのでしょうね。
    ブログ、覗かせていただきます。

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