リアルタイム巡礼記2019

【巡礼21日目】お天気雨、緑のトンネル、水平線とラグーン。別れが惜しい、北の道最後の1日。

みなさまこんばんは。たまゆりです!
さっそく今日の日記でございます。

【巡礼21日目 プリエスカ〜ベガ・デ・サリエゴ】 歩行距離:25.6km


今日は、なんだかすごく気持ちよく歩けた1日でした。

前半は、天気も道の様子も、まるでこれまで歩いてきた北の道の総集編みたいな景色がいろいろ詰まっていた気がします。


朝、昨晩ローサとスザンナが準備してくれた朝ごはんを、ホットミルクといっしょにいただいてから、のんびり8時過ぎに出発。


雨予報だったけれど、朝はうっすら晴れ間がのぞいて、美しい光が見えました。
夜中の間に雨が降っていたからか、葉っぱについた細かい水滴が朝日にキラキラ光ってとても美しかった。

この、雨上がりの、朝まだ暑くなる前の、しっとりして肌を包み込むような優しい空気は、北の道ならではのもののような気がします。


少し歩くと道は、緑のトンネルをくぐり、小川の横を抜ける道に。

鬱蒼とした、数え切れないほどたくさんの種類の植物に満ち満ちた森の中を歩くのも、北の道ならでは。

足元には水滴に濡れた小さな花たち。道を埋めるユーカリの落ち葉からは、ベリーにも似たとてもいい香りがします。

鳥のさえずる声がそこかしこから聞こえてきます。この道で出会う鳥たちは、本当にのびやかに、気持ちよさそうに歌います。

北の道は、海の景色も印象的だったけれど、それ以上に、緑の豊かさが本当に印象的だった。


雨が多いのは、歩く人間にとっては少々たいへんだけど(笑)
その雨があるから、こうしてこんなにも豊かな緑がのびのびと育つんだなあと思います。


そして、さらにしばらく歩き坂を登ると、眼下に河口近くの潟と、海の水平線が見えました。

今までも、何度も書いてきたけど、本当に、北の道は海の青さがすばらしかった。

大西洋の青は、見たことのない深い深い遠いブルー。ビーチから見る波は、砂のオレンジと混じってエメラルドグリーンになって、ゼリーみたいに透き通った次の瞬間、真っ白に激しく砕けます。

波の激しい北の海。
果てなく広い北の海。

苦しいとき、何度この海の青に助けられたことでしょう!

また、海に川が流れ込む場所の近くには、多くの潟、ラグーンの風景があったのも印象的でした。

潮が満ちれば海になり、潮が引けば陸になる、不思議な場所。昨日見たときには完全に海だったところが、次の朝見たら陸に変わっていた時はとても驚きました。潮が引いた時間には、多くの地元の人たちがそこで水と戯れていました。

この先道は内陸部に入るので、これで海やラグーンとはお別れです。
少し名残惜しくなりながら、手を振って海の見える丘をあとにしました。


そして、これもはずせないのが、幹線道路脇の道!ハイウェイ歩き!笑

暑い日も、大雨の日も、必死で終わりがなく思えるようなアスファルトの硬い地面を歩いたのは、本当に忘れられない記憶です(笑)

晴れた午後なんかには、照り返しで暑すぎて、頭が朦朧としながら歩いて。
雨の日は、猛スピードで通り過ぎるトラックにビクビクしながら、滑って転んだりしながら歩いて。

その時はつらくてしかたなかったけど。
なんか、もうお別れだと思うとそれもひっくるめていい思い出に思えてくるから、人間の記憶とは本当に怖いものだと思います(笑)


それからさらに歩くと、道は大きな街にさしかかりました。

すれ違いざま、笑顔を交わしてくれる人。ブエンカミーノ、と声をかけてくれる人。あるいは、なんじゃこいつって訝しげな顔でじろじろ見てくる人(笑)

色んな人がいたな。
最初の方は特に、なかなか勇気がなくて、街中では特に挨拶できずに下を向いて歩いていたな〜、なんてことも思い出したり(笑)

はじめの方は、地元の人しかいないバルに入る勇気もなくて、ベンチに座ってスーパーで買ったパンやソーセージばっかり食べてたのも、今となってはかわいい思い出だ。
そのときはひもじかったけどねぇ!笑


それから、牛、馬、羊。たくさんの動物たち。

牛の首に下げられた鈴が、草を食べる動きに合わせてカロン、カロンとゆるーく鳴るのは、もれなく毎日聞いていた音。とても印象深いです。
波音や鳥のさえずり、川のせせらぎの音、車の音と合わせて、北の道サウンドセレクションって感じ。笑

あまりにも道に落ちてる彼らのウンチを見過ぎて、ウンチの色や形でどの動物かを判断できるようになった(笑)

それから、やたら元気でやたら吠える犬と、臆病なのに好奇心旺盛なたくさんの猫たち。

時にうるさいなあってイラついたり、その無邪気さに癒やされたりしながら歩きました。


天気も、今日は不思議と、今までの総集編のように変化が多かった。
晴れたり、曇ったり、小雨も土砂降りも、凪も嵐もあった。まるでここまでの毎日のように。

土砂降りになったときは、そうそう、こんな雨の中ひたすら歩いて辛かったなあって思い出したり。
そうそう、カッパが風でバサバサいって役に立たないんだよねぇ、とか。

いろいろ思い出して、とても懐かしかったです。

そんな感じ。
ほんとに、北の道で起きた色んなことを振り返らせてくれるような1日だったなと思います。

そして、そんな20日間の総集編みたいな道をあとにして、今日の後半。


雨の中カッパを着て歩いていると、そのまま北の道方面を進むヒホンへの道と、プリミティボ方面へ行くオビエドへの道への分岐がありました。

ちょうど分岐のすぐ手前で、私にたくさんのスペイン語やスペインの習慣を教えてくれたアンヘルと会えた!

アンヘルは北の道をそのまま進むので、サンティアゴでまた会おうね!とハグしてお別れ。

そうして、プリミティボの道へ向かう道を再びひとりで歩き出しました。

いままさに、新しい道へ踏み出したんだと思うと、不安と、寂しさと、でもすごいわくわくとが混ざった不思議な気持ちになりました。

思わず、ポケモンのゲームの、自分が育った家を出て、最初の草むらに踏み出した瞬間流れるテーマソング(伝わるかこれ?笑)を口ずさみながら歩いてしまった(笑)

ここからは、プリミティボの道(…正確にはまだ違うか?)。
一つの区切りとして気持ちが新たになったような気がしました。


しばらくいくと、道は一気に400mの山越えへ。

この山道がほんとうにほんとうに美しくて。

緑で溢れる回廊のような小道や緑のトンネルの中を、少しずつ少しずつ登って行きました。

天気は晴れたり雨が降ったりで、陽が射すと全ての緑が濡れてキラキラ光ります。
雨で洗われたての葉っぱは一枚一枚が透明で濃い緑をしていて、見上げるとステンドグラスのように太陽に透けて、本当に美しい道だった。

精霊とか、妖精とか、そういうたぐいのものが、この森には住んでるのじゃないかしら?

そんな風に思えるほど、神秘的で美しい道でした。


プリミティボの道でも、もしかするとこんな森に出会えることがあるのだろうか。そんな風に思うとわくわくします。


しばらくいくと森が途切れて見晴らしのいい場所に出ました。

相変わらず晴れたり雨が降ったりのお天気だったから、高い場所から見ると、雨雲が今どこにあってどこに雨を降らせているのかが目に見えてとても面白い。

雨って、こんなふうに降るんだなって。知らなかった。
高い場所から見ていると、まるで白いカーテンかヴェールのように、その雲の下だけ景色が白くけぶっています。それがだんだんこっちへ近づいてくるのは、ドキドキだった。

見下ろす風景も、とても美しい。

延々と続く牧場の明るい緑の丘。そこへ点々とつながるオレンジ色の屋根。それらをふちどる木々の深い緑。遠く向こうの山の間からは、最後のお別れを言っているように青い水平線がのぞいていました。

今まで、こんな道の中をずっと、街から街へ、縫うようにして歩いてきたのだなあ。と思うと不思議な気持ちになりました。

そうして、今日たどり着いたのは、山の上のサリエゴという集落にある、ベガという小さな村。

小さいんだけどバルもファルマシア(薬局)もアルベルゲもカフェもあって、なんだか心地のいい場所。

山といっても標高は400m程度。車だったらそんな風に思わないのだろうけど、歩いてその山を登ってきた私は、つい「ひ、人里だーー!!こんな山の上に町があるぞーっ!!!」みたいな気持ちになって無駄に感激してしまいます!笑

アルベルゲは、最初鍵があいていなくて、近くのバルで受付をしてカギを開けてもらって、あとは自由に使って!状態のところ。

泊まっているのも、私と、イルンで出会ったトシさん、カルロス、そしてトリトさんの4人だけ。

スーパーで買い出しをして、私も仲間に入れてもらい、小さなキッチンでみんなでワインを3本飲みながら楽しくご飯を食べました。

ああ、お三方がいてくれてほんとによかった!
このアルベルゲ、夜もひとりぼっちだったらぜっったい寂しすぎるもん!笑

そういうわけで、女子は私ひとりなので、今日はぜいたくに?4人ベッドの部屋をひとりで使わせてもらっています。

なんか、逆に静かで落ち着かないっ!!笑

この先、プリミティボの道になるとさらに人が少なくなるのかもしれません。北の道へ進んだであろうみんなにもまた、サンティアゴで再会できるといいな。


明日はいよいよ、プリミティボの道の起点になるオビエドという街へ到着の予定です。

オビエドでは、社会勉強と見聞と休養のため、奮発して、五つ星のホテルを予約しちゃいました!きゃーどうしよう!!!

前回のカミーノでも、レオンでスペイン国営の五つ星パラドールに泊まって、思い切り羽を伸ばしてリフレッシュしたことを思い出しました…!

今回も、広い湯船にゆっくり浸かって、プリミティボの道への英気を養えれば…と思います。

よし!
それではまた、おやすみなさい。たまゆりでした。

P.S.

今日のお昼ご飯。
山の上のたった一軒のバルで、海鮮パエージャを頼んだらものすごい量で、そしてすっごくおいしかった!

ムール貝、かに、えび、イカ、すごくいろんな具が入ってた。

赤ワインも相変わらず、毎日バルでビノティントくださいって言うと全然違う種類のその土地のワインが出てくるんですけど、ほんとうにどれもおいしいです。すっごくおいしい!

引き続き、炭酸水を頼んで割って飲むのにハマっております。

オビエドでは、どんなおいしいものを食べようかな。笑
 

続きはこちら。

【巡礼22日目】雲の上の高原、透明な朝。ささやかで確かな願い。こんにちは!たまゆりです! ああ、ついつい気付くと日記を書きかけで溜めてしまう…。ほんと、毎日歩いて食べて寝て書いてってしてるだせ...

 

ただいまサイト工事中により、一部リンク切れなどがございます。お探しの記事が見つからない場合は、検索機能をお使いください。

POSTED COMMENT

  1. やまぴ より:

    フランス人の道のカスティーリャ・イ・レオンとは全然違う風景ですね。こちらも素敵な景色が多くて、楽しみにブログ読んでます。

    巡礼も気がつけば3週間経ち、ついにピリミティボの道ですか!早いですねぇ。
    これから先も気をつけて楽しんでください。サンティアゴ到着を楽しみにしています。
    Buen Camino!

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です