みなさまこんにちはー!たまゆりです。
前々回の記事の、熊野への引っ越しのご報告から2週間。
引越し作業でばたばたとしておりましたが、ついに本日から、熊野へ住み始めます!
まだ落ち着くまでにしばらくは時間がかかりそうですが、仕事や暮らしに慣れ始めたら、また熊野での毎日の様子や、周辺のたっくさんの魅力的な場所など、このブログでご紹介して行けたらいいなぁ〜と思います。
さて、そんなこんなの近況ですが、今回は、中山道旅の続きをお届けしたいと思います!
これからは、三重県といってもほぼ和歌山県との境に住みます。
なので、これまでのように気軽に中山道旅に出かけることは難しくなってしまいますが、人生長しととらえ、生きているうちに東京日本橋までたどり着くことを目標にしておきたいと思います。
では、今回で木曽路ラスト!の中山道旅レポいってみよ〜。
まずは、8日目に宿泊した奈良井宿のつづきから。
夕暮の奈良井宿に到着!
奈良井宿にたどりついたのは、あたりがもう薄暗くなり始めた頃。
深い山に囲まれているため、4時にもなれば太陽が山の端に隠れてしまいます。
まるでタイムスリップしてきたかのような気持ちになりながら、宿を目指して歩いている間にも、通りにはぽつぽつと灯りがともり始めて、さらに風情が増していきます。
今回泊まったのは、まさにその風情たっぷりの宿場町の中にある「民宿しま田」さん。
引き戸を開けてのれんをくぐると、とても気さくで明るいお母さんが出迎えてくださいました。
こちらのお母さん、とにかくお話好きでとってもチャーミングな方で、本当に初対面だっけ?と思うほど(笑)
ちょうど、私と同年代の娘さん・息子さんがいらっしゃるらしく、そのお話をいろいろと聞かせてくださいました。
山の幸全部盛り!の豪華な夕食
こちらの「民宿しま田」さん、とにかくお料理がボリュームたっぷりで、どれも本当にこのあたりでしか食べられない山の幸がいっぱいで、すっっごく美味しかった!!
初めにテーブルに並べられていた小鉢料理と豚しゃぶだけでも十分豪華なのに、さらに、茶碗蒸し、鮎の塩焼き、天ぷら、しまいには馬刺まで、どんどん運ばれてくるわ運ばれてくるわ!!!
こういう時「絶対こんなに食べられない!」と思いながらも、するすると入っていっちゃうのが不思議です。結局ごはんまでおかわりしてしまった。。
1日歩いて歩いて歩き倒して、そして美味しいお酒、もりもりおいしいごはんを頂く、これ以上に幸せなことがあるだろうか。
中山道歩きの経験がおありのご主人と、同宿の電車旅のご夫婦と談笑しながら、楽しく夕食の席を過ごさせていただきました。
食後のお茶タイム、と思いきや…
で、たらふく晩御飯をいただいて、幸せな気持ちで部屋で休憩していると、扉の外から
「玉置さ〜ん、まーだ起きてますかぁ〜?」と、お母さんからの呼びかけ。
「はーい!まだ起きてます!」と返せば
「ちょっと、お茶しな〜い?」と(笑)
いやお母さん、本っ当に話好きなんだなぁ、とちょっと面白くなりながらも、なんだか嬉しくて「いただきま〜す!」と2階の部屋から階下の食堂に再びお邪魔。
ちょうど同年代の娘さん・息子さんがいるって言っていたから、そんなお話ができるのかなぁ〜と思いながら席に座って待っていると、ふすまが開いて入ってきたのは…
息子さん本人(笑)
「えっ?あっ?は、はじめまして〜〜!!?」
と、急な人物の新登場に驚いていると、息子さんは私の正面に着席。
そして、極め付けに、後から入ってきたお母さん、お茶をテーブルの上に2つだけ置いて
「じゃあ、あとは若い人たちで〜♪」
と言いながら満面の笑顔で去っていくではありませんか!!!!!笑
一人で孤独に旧街道を歩いて旅していたはずの女。
なぜかゲリラお見合いに遭遇してしまった。こんな棚ぼたってある?
旅のご縁、今昔。
その息子さんは、ちょうど私と同い年で、しかもバックパックを背負ってアジア中を旅したり、自転車で本州の端まで旅したりと、とても話の合う方でした。
はじめは「お疲れなのに、うちの母が、本当すいません!」と恐縮してみえましたが、歳も趣味も近いので盛り上がって結局1時間くらい談笑。
こちらこそ、お仕事終わりだったのにすみません…。
…で、なんと後日、犬山まで中山道を通って自転車で遊びにきてくれ、酒を飲み交わしました!
という話を師匠にしたら
「それ、江戸時代にも同じことあったんじゃない?宿屋に泊まった旅人が、ウチの娘をぜひ嫁に!!!みたいな。」
と言われ、なんだかすごく納得。
以前紹介した、須原宿を舞台にした小説「風流仏」もそんな話だったなぁ。そういえば。
また違った角度から、旧街道歩きの面白さを感じられた、奈良井宿でのエピソードでした(笑)
旅で感じた小さな自分の成長。
それにしても、この日に感じたのは「自分が前よりは少し成長できたのかなぁ」ということ。
自分でやるぞと決めて、誰に言われたわけでもなく、自分の意思で来ているにもかかわらず。
途中で疲れや不安に襲われて、塞ぎ込んでしまって、好奇心を失って、新しい景色や出会いを取りこぼしてしまう。そして自己嫌悪に陥る。
そんな、自分で掘った落とし穴にえんえん自分で落ち続けるようなことを、歩き旅の中でもよくやらかしていた私でした。
それが、前より余裕を持って旅ができているなぁと思ったのです。
そしてそれは自分の中に、ある意味では根拠のない、でもだからこそゆるぎない自信が芽生え育ってきているからだと思ったのです。
もちろん、体力とか、精神力とか、まだまだ目指したい自分の姿からはまったく足りないところだらけなんだけど……
それでも、きっとこれからもそれを身につけていくための芯みたいなものが、自分の中にできはじめていると思います。
見守ってくださる皆様に感謝。
なんか、私もうすぐ30になるのに、昔に思い描いていた姿とはぜんぜん違くって。おぃ、まだそんなところなのかよ!という。
たまに人と比べては、みんながとっくの昔に乗り越えてきたようなことが未だにできない自分に落ち込むこともある。いっぱいある。
それでも、本当にゆっくりすぎるペースなのかも知れないが、成長を続けている自分を感じることができた気がするのです。
ほんとうに、見守り続けてくださっている皆様に心からの感謝です。
ありがとうございます。
世界が自分の内面の写し鏡みたいなものなのだとしたら、今回の嬉しい出会いも、きっと私の成長がちょっと、反映されているのかもしれない。だとしたら嬉しいな。
さて、長くなってきたので今回はここまで!
次回は、翌日の木曽路踏破までをお届けします。
それではまた!たまゆりでした〜。