2020年11月19日
中山道歩き1日目
自宅〜鵜沼宿〜太田宿〜今渡の渡し〜名鉄日本ライン今渡駅
歩行距離:16.03km
「中山道を歩いてみよう」そう思い立ったのは出かけるほんの前日。
行く予定だった旅行を、後半の天気が悪くて日程移動したので「代わりになにかやれることないかな〜」と考えていたときのことでした。
一番良いトレーニングってなんだろう。
前の記事にも書いたとおり、そのときの私はちょうど「アメリカのトレイルを歩きたい!歩こう!」と思い立ったばかりで、とにかく、今のこのどっぷり日常に浸かってなまりつつあった身体をどう起こそうかということばかり考えていました。
大きな目標はアメリカのトレイルであるものの、もう少し近い、現実感のある目標を、体力作りも兼ねて間に立てたい。
そう思ってはいたものの、今は仕事をいただいている身である以上、長いお休みを得ることは難しい。
限られた時間でもできる、トレーニングになることってなんだろう。
ランニング。マラソン。スポーツジムで筋トレ。
いろいろ考えてはみたのですが、どれもあまりしっくりこなくて。
夢中になれること=効率最高。
どれも、すばらしい方法であると思うのですが、この時の私には「まずは自分が夢中になり、それをやっていることすらも忘れて、楽しんで取り組める方法」が必要でした。
いろいろ考えた末「それってやっぱり、歩いて旅することなんじゃない?」という結論に至りました。
「荷物を背負って歩いて旅する」という夢ためのトレーニングは、荷物を背負って歩く旅でやろうと。
それが自分にとって、一番楽しみながら、夢中になって取り組める方法なんじゃないかと。
暇つぶしのつもり。
それで思いついたのが「中山道を歩くこと」でした。
以前にも書いた通り、私は日本の街道を歩くことを食わず嫌いしていました。
「すでに見知った近場の景色ばかりだし、国道歩きは退屈だし…」
歩きに行くと決めた前日も「あまり期待しないで、どうせ近いんだから、ひまつぶしのつもりで歩いてみよう」だなんて考えていたんです。
もっと歩きたくなっちゃった。
最初は、東京を目指すなんてつもりもありませんでした。
ただ、自宅のドアを出て、中山道に沿って、いけるところまで1日だけ歩いてみようかな、それだけ。
ですが、実際に歩いてみたら、とても楽しかったんです。
単調で平坦な道に、真横を通り抜けるトラックに、照りつける強い日差しに、うんざりとした回数は数えきれないけれど。
それでも、それ以上に、たった1日の中山道歩きの旅には、たくさんの新鮮な魅力がつまっていて、もっと歩きたくなってしまったのでした。
じゃあ、せっかくだから歩いて東京日本橋、目指そうじゃん!
そんなわけで中山道歩きの旅がはじまったのでした。
1日目の行程。
今回私が歩いてきたのは、京都の三条大橋から東京の日本橋を結ぶ中山道の、真ん中よりちょっと京都寄りの、鵜沼宿の少し先〜太田宿〜今渡の渡しの区間。
自宅を出て歩いた距離は、合計16kmほど。朝はわりとのんびり10時前に出発して、ゴールには15時すぎごろの到着でした。
短い区間ではあるのですが、川面にそびえる犬山城を眺め、静かな山道を行くうとう峠を越え、奇岩怪石が並ぶ木曽川の流れに沿って歩く道には変化が多く、とてもおもしろかったです。
また、今回立ち寄った宿場町「太田宿」にも、数多くの当時の建築物が残されていたり、当時の街並みを再現した資料館があったりとみどころがたくさんありました。
大いなる楽しみ、グルメ探訪!
車や電車を使えば、家からほんの20分ほどの場所にありながら、いままで全然知らなかった!
宿場町の中には、古い郵便局の建物を改装したという落ち着いた珈琲店コクウ珈琲さんもあり、そこで美味しいコーヒーと手作りのスイーツをいただいてひとやすみしたり。
今まで敬遠していた国道沿いや街中歩き。
でも、そのなにがいいって、お店がたくさんあること!だと気がつきました。
車の交通が多い国道沿いには、そのぶん飲食店さんがたくさんあります(笑)
地図を眺めながら「おっ!ここは中山道沿いから歩いてすぐだぞ。ここでランチにしようかな」「ここで一休みにしてプチご褒美にしちゃおう」なんて考えるのはとても楽しい。
意外と近い場所にありながら、いままで知らないままでいた素敵なスポットを発見して歩ける。
これは、他に代え難い、家の近くの街道を歩くことの楽しみのひとつだなと感じました。
おすすめ立ち寄りスポット
ここでちょっぴり、今回の区間のおすすめのお店を紹介しておきますね。
◼️DEEPな昭和のとんちゃん屋「五代目食堂」
場所:鵜沼宿からうとう峠を越えてすぐの木曽川沿い
あの「きたなシュラン」にも登場したことがあるという、なんともいえないディープなたたずまいのとんちゃん屋さん。今回はタイミングが合わなかったけど、いつか行ってみたいお店です。
◼️整った空間で珈琲を楽しむ街道歩きのオアシス「コクウ珈琲」
場所:太田宿の本陣門跡から歩いてすぐ
シンプルな空間、自家焙煎の曇りない味わいのコーヒーと、丁寧な手作りのスイーツの甘さが絶品で、長い木曽川沿い歩きの疲れた体にはまさに至福のひとときでした。
◼️愛知・岐阜県民の定番チェーンでカロリー補給「ラーメンくねくね」
場所:今渡の渡し跡を越えてすぐ
岐阜生まれの私には馴染みの深い、安心満足のラーメン屋さん。15時とか変な時間でも営業してるのがありがたい。本場の美味しいキムチが食べ放題で、白飯ガンガンいけます。
誇らしく清々しい電車での帰路。
この日は、太田宿の先の伏見宿まではいかず、手前の「名鉄日本ライン今渡」駅から電車で自宅に戻りました。
5時間かけてのんびり歩いた道を戻る乗車時間はたったの16分!笑
それでも、車窓越しに眩しい夕日に照らされながら、ゴトゴトと電車がいくつもの駅を通過する度に、なんだか少し誇らしいような清々しいような気持ちになっていったのでした。
自分の心に正直でいるために。
自分が自分の心に正直でいるために大事なのは、小さくても、自分が真に行きたい方向に向かって、その先の光に向かって、一歩ずつを歩みつづけること。
それが、自分が自分を信頼して前に進むための、簡単なようでいて難しい、でもじつはとても簡単なのかもしれないことなのだと、また改めて感じました。
全力でもがいてもうまくいかないとき、停滞してしまうときだってたくさんあるけど、それでもあきらめず立ち止まらないで、休む時にはのんびり休んで、自分のこの人生をより成長の多いものにしていけたらいいなぁ。
次回の中山道歩き旅は…
そんなわけで、次回の中山道歩きは、泊まりを予定しています!
今回の続き、日本ライン今渡駅から伏見宿〜御嶽宿と歩き、山あいの細久手宿にある、由緒ある旅籠に泊まり、翌日は大湫宿を通り大井宿をゴールに目指したいと思います。
どんな旅が待ってるんだろう…。
道はこの先交通機関やお店の少ない山へと入っていくみたいです。
ちょっぴり不安と、けっこうワクワク。
では、次回の旅行記もおたのしみに〜( ´ ▽ ` )ノ
たまゆりでした!
P.S.
中山道歩きの際には、こちらの書籍「歩いて旅する中山道」を頼りにさせてもらっています!
電子書籍もあるので、スマホのKindleアプリに入れて使ってます。
ほしい情報がざっくりとまとまっているので、あとは目印などにGoogle Mapでピンを打ってマッピングしながら歩くのが使いやすかったです。
ご参考までに!